サンジ×ロー
□突発サンロ
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口を開けたローに、サンジがニヤリと笑う。
一口噛んで広がった酸っぱい味に、ローの眉間に皺が入り、顰められた顔は不機嫌さを醸しだした。
「おい、黒足屋…」
普段より低い声に、サンジの笑みはますます深まる。
「好き嫌いすんじゃねェよ」
サンジが吹かした煙草は、白煙となって天井に向かった。
吐きだそうとした梅干しは、テーブルを挟んだサンジが身を乗りだして、ローの唇を唇で塞いだことによって止められる。
「んぐ…っ、てめ…っ…」
酸っぱくて苦いのに、徐々に甘くなる口づけにローの息が上がっていく。
完全にテーブルに乗る体勢になったサンジは、吐きださずに飲み込んだローを褒めるように頭を撫でてやった。
灰皿に煙草を押しつけて消し、食べかけのおかずを自らの口に含んだサンジは、再びローに口づける。
「んっ、ん…ぅっ…」
頭を振って嫌がるローの後頭部を抱えるように抱いて固定すると、背中を反らしたローの勢い余る動きに従って、二人の身体が床に倒れた。
「イッ…テェ…。クソ…、バカ…」
「おーおー…、口が悪い姫さんだ…」
「誰が姫だッ! ふざけんな!」
「でも、食えただろ?」
サンジの笑みは崩れない。
味すら解らず、何も感じなっかったローは言い返すことも出来ない。
「お前…、おれじゃなくても残してるヤツなんか他にもいるのに、何でおれだけ…こんなことしてまで食わせて…」
けれども年下なんかにこのまま負けるのは、年上としてのプライドが許さないらしいローが反撃に出た。
「ロー…。お前じゃなきゃこんなことしねェよ…」
「それは…、嫌がらせか?」
「ハァ!? こんなにアピールしてんのに、気づいてないとか、おれショックなんですけど…」
シュンと拗ねてローに抱きつくサンジは、床に倒れたローの上から退こうとしない。
「女の尻ばっか追いかけてる奴に言われてもな…」
「男はローだけだろ」
首に触れるサンジの髪がくすぐったく、ローが肩を竦めると、次に感じるのはチクリとした痛みだ。
「男の尻を追いかけたら、その時はお前の心臓取りだして目の前で調理してやるよ」
「怖い怖い…。お前だけで十分だ…」
キスマークをつけ終えたサンジが顔を上げて、今度はじゃれるようなキスをローに送った。
END