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□色松事変
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「まずどいつと入れ替わろうか…。」
「ちょっとまって一松兄さん、一松兄さんが猫になっちゃったらさ、同時に猫が一松兄さんになっちゃう訳でしょ?そいつどうすんの?」
「それは十四松、お前に任せた。」
「任されたりぃ!!」
「よし、お前に決めた。結構大人しいし。…まず猫が飲みやすいように水に溶かそう。」
台所へと向かう一松。そこで薬をすりつぶしてコップに注いだ水に入れる。
「…先に俺が飲んどくか…。」
一粒口にポイと含んで飲み込んだ。
「マミィ、何か飲み物を…って丁度此処に水が。」
運悪く、カラ松が台所に立ち寄った。
「えっ、ちょっまげほっげほっ!!」
むせてカラ松を止められない一松。その間にカラ松がゴクゴクと水を飲み干してしまった。
「………あ、………」
「……え?」
「一松兄さーん!水入れ終わったぁ?あ、これかな!?よし持っていきまっせーー!!」
「じ、十四松!待って!!」
自分が飲む用に置いておいた、ただの水を持って行ってしまう十四松を止めようとする一松。
だがその声は明らかにカラ松の声だった…。
「………なんで俺は水道の前に立っているんだ。瞬間移動でもしたのか?…ん?……あー、あー…声もなんだかおかしい…。なぁいちま……!?」
カラ松が見たのは、自分自信だった。
いや、中身が一松の自分の姿、だった。