旅立ちの日

□マリーコの酒場への誘い
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高橋みなみは1Kのアパートの一室で目を覚ました。

職を失って1か月。
いわゆるニート、ぶっちゃけ職なし。

底をついてゆく貯金。

このままでは行けないと思いながらも、毎日が過ぎてゆく。

とりあえず水道水をコップに注ぎ、意識を覚醒させる。

「さて、ゴミでも出すか……」

ゴミ袋を片手にスウェット姿で玄関をでる。

帰りに郵便受けを覗いてみる。
別に大した郵便物も入ってはいない。

電気料金のお知らせ。美容院のチラシ。

もう1枚、二色刷りのチラシが目に入った。

そこにはこう書いてあった。

求む!アキバの勇者。
必要なのは、勇気と情熱と正義感。
報酬は君の能力次第。月30万も夢じゃない。
君の手で世界の平和を取り戻そう。
詳細は、マリーコの酒場にて。

「なんじゃこりゃ」

完全に怪しいよな。と思いつつも気になってしまう。

マリーコの酒場……
聞いたことないけど、この近くじゃん。
ちょっと覗きにいってみようかな。
どうせ、無職だし。
時間なら腐るほどある。それに勇気・情熱・正義感
嫌いじゃない、高橋みなみはそう思ったのである。
完全に怪しい。
こんなので、人集まるのかなと思いつつも興味津々であった。
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