狙われる審神者(in大奥本丸)

□二話
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いつのまにか俺の周りにヒロイン役が多く集うようになったハーレム(笑)の男審神者は俺です。言っておくが刀剣は男士だ。女士ではない。この世は地獄か??嫌な予感がするので何か対処しようと、真面目な子ならヒロインにならないかなーと期待して、前田くんを近侍にしたんだけどね。

「主君、お茶をどうぞ」
「‥前田くん。それ女の子の着物だよね?」
「何か?」
「なんでもないよ。粟田口風のいい着物だね」

すると照れて赤くなった頬を抑える様に手を当てる前田くん。元の可愛さと相まって女の子にしか見えなくなった。多分近侍は男らしい方がいいのかもしれない。宗三に近侍やらせたら即落ち不可避かもしれないし、そう思えば長谷部は良い仕事したなあの時。まさか年上のお姉さんで攻めるとは思ってなかったけど。

「下女の様な質素なものを選ぼうとしたのですが‥一兄に止められまして」
「なんで下女?」
「僕が攻略した絡繰の女人が下女でしたので」
「?????ア!ソウイウアレ!前田くんもソウイウアレ!」

割りかし信じたくなかった。

「何してるの?主殿の邪魔をするなら近侍は降りなさい」

すると突如現れた化粧盛り盛りの鯰尾藤四郎。

「‥私は、嫌です。主君のそばを離れたくありませんっ」
「何よこの泥棒猫!」
「なんと言われようと!主君の近侍は僕が」

パンパンパンパンと手を叩いて、待ったをかける。少し眉間を抑えてクールダウン。

「あのさ、まずは俺が入りやすい設定でしようね?」
「「はーい」」

この一言が、俺を攻略対象兼アドバイザーの親友ポジ確定にした。







鯰尾と前田のコントに些細なダメ出しをして、作戦もっと考えるねと退出した鯰尾に手を振って、真面目に近侍をし始めた前田をチラ見する。
ペラペラと内容の確認と、次に俺がやりやすい様に書類を整えてくれている。特に引きずったりしない様なので、この調子だと前田を近侍に固定した方がいいのかな?と考える。いや、普通にヒロインじゃない男士がいいんだけどね。探していなかったらまた考えよう。

「主君?」
「前田、お前‥」
「主さん!前田の唇がツヤツヤなのはグロスを塗ったからだよ!僕のは天然!ドキってするなら僕の唇がおすすめだよ!」

天ぷら食べた?と尋ねようとしたら突如現れた訪問者乱藤四郎。後に続く予定だった言葉はちゃんと飲み込んだ。多分これ言ったら「乙女心分かってない男」という不名誉なレッテルを貼られること間違いなしだ。

「乱、何故邪魔をするのです‥」
「主さんは、絶対に渡さない!」
「しまった!後手に‥!」
「ちょっ!空気壊すの禁止ぃ!!」
「メタ発言は禁止されてませんので」
「邪道だ!」

「呼んだ?」

そして現れたメイクばっちりの後輩の女の子の格好がモチーフであろうセーラー服の可愛い堀川くん。

「‥先輩?どうかしましたか?」
「おま、王道突っ走ったな」
「王道も邪道ってね。どう?似合ってるかな?」
「う「させるか!!」兼さん?」

堀川くんと同じセーラー服の兼さんが障子をスパーンと豪快に開け「御用改めである」と大声でハキハキと宣言。そして短いスカートでドシドシ歩いて俺の横に座った。

「今の発言は無しだぜ?好感度上がるイベと全く同じしちゅえいしょんだったぞ」
「お前ら仲良いの?」


そこで今の俺の部屋の状態を見直そう。
近侍の前田くん‥可愛い女の子の着物
現れた乱ちゃん‥可愛いワンピース
現れた堀川くん‥セーラー服
現れた兼さん‥セーラー服

兼さんの首から上がセーラー服と似合ってるし、他の子もぱっと見女の子にしか見えない。だけどね、こう、心情的には男が女装な訳で。高校時代の女装喫茶を思い出すわ。それよりもとても可愛いんだけど、少しご遠慮なの。

「そのー、うん‥」





そこで俺が考えたのが近侍にするなら誰がいいかなランキングを作ることにした。ランキングとか嫌いな人間だしわ基本グルーピングして好き嫌いとか分けてたからこういうのはしたくないんだけど、やむなし。

俺の第一候補!長谷部だったんだけど却下。
今部屋を覗いたら「主 好み 性癖」とパソコンで調べてた。罪悪感。あと多分俺の性癖はネットで調べても出てこないよ。

第二候補!巴薙刀!
「その、こうすればいいときいたんだが」
首を傾げながらプラ板に「huhuhu」という文字。
第三候補の加州くんを一旦置いておいて、ピュアで純粋な巴に破廉恥気味な格好(村正の格好)をさせたであろう村正に直談。
彼曰く「印象に残るには何度も会うのが一番デスガ、主も何かと忙しいので、なかなか会えないデショウ?なので私の服を布教して覚えてもらおうか」とまで話したところで蜻蛉切に頭を下げられてむっちゃ謝られた。巴さんは頭にはてなを浮かべていた。巴さんには近侍をしばらく勤めてもらうことになった。巴の純粋は俺が守る。

「ダメーー!!天然純粋を狙ってるんだよ!これだから本当の天然は!せこい!俺いつだって可愛くしてたのにー!」
「俺が守るエンドを阻止!!」
「酒が飲めるときいて!」


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