短編
□隠し事
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どうしても好きになってしまったの。告白しようかとか、なんて考えもしなかった。私はすぐに気持ちを隠し通すことに決めた。何もなかったかのように振る舞い続ける。それでもやっぱり消す事は出来ないようで、時たま高鳴る心臓の音が聞こえた。
単なる一方通行の恋愛。それを知ってるから消そうとするのに、あなたが私に笑いかけるから、それだけで、どうしても消えそうにない。
貴方があの子を好きなのは知ってるの。でもあの子は別の子を好きなの。それを貴方は知っているの。知っててなおまだ好きなんでしょう？
お互い様ね。私も貴方が好きなのに。諦めきれないところとかそっくり。
安心して、この気持ちは誰にも教えてあげないから。私だけの秘密だから。
貴方の遠く離れた横顔を見て、今日も心臓は高鳴った。