あるある
□ホラーで、1人だけ仲間外れってあるよね
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ホラーで、1人だけ仲間外れってあるよね
訳が分からない。とあるインキュベーターの名言が口を出た。
気が付けば、廃病棟のような場所にいた。きっかけなんてわからない。ただのいつも通りの日常だったはず。なのに、
頬を抓っても痛みは頬を刺激し、鈍い痛みが余韻として残る。どうして?そんな疑問を答えてくれる人はいない。ただいるのは遠くから疑いの目で私を見る顔の整った人達。元は綺麗だったであろう赤黒い斑点のある床を拳で叩きつけた。
ーー君はどうやって此処に来たんだい?
ーーやめようぜ、外にいる化け物かも知れねぇし
怖い。知らない人達が恐ろしい。私が異常なんだと。果には化け物だと。じゃあ貴方達は一体何者なんだ。私は貴方達を知らない。それこそ化け物かも知れない。嫌だ。この人達と一緒に居たくない。こんな人達といるぐらいなら、リスクを抱えようが1人がいい。それすらも言い出せない。どうせ疑われるだけ。
ーー君は誰?
恐怖と不安で覆い尽くされた脳味噌が一気に白くなっていくのがわかった。誰?そんなの、
ーーわかんねぇよ!テメェらが私をバケモン呼ばわりしやがって、人間なのによぉ!テメェらと同じなのに異質なものを見る目をして、私とテメェらとは何が違うんだよ!
目が覚めたら知らないヤツしかいねぇし親友も家族も彼氏もいねぇ。しかもしめぇには、テメェらが口を揃えて私をバケモンだと疑いやがる。しかも私が今まで人間として、人間だと思って生きていた私の生き様すら否定しやがって、ふざけんじゃねぇよ!
むしろこっちの身にもなってみろよ!私はテメェらの事誰1人として知らないのに何を支えにここから生きていりゃいいんだよ!?詰みまくってるっつーの!誰も守りたくなんかねぇし信用なんねぇし、寧ろ……
ーー死にてぇよ
ギリギリ聞き取れるか取れないかぐらいの蚊の泣くような音が口から出て言葉となった。それを聞き取れたのは誰も居ないのか否か。