ネタ


◆どんな理由であれ、人を殺す事はいけない事だ。いいですね? 

残酷な言葉だと思った。「どんな理由であれ人を殺してはいけない」なんて。じゃあ、警察は何をしているの?私のような犯罪者が、犯罪を犯す前になにかしてくれたの?上から物事を冷静にいうように、ただこれが常識なんだ、わかる?知ってた?とでもいうような彼らの態度と言い分がどうしてもわからない。
捜査情報すら一般人に漏らすような彼等に、そんな事を言われる筋合いなんて無い。私の気持ちはガン無視だ。どうして殺したりしたのか、私にも明確な理由なんて思い浮かばない。
私が周りを信じきれないようになっても、周りは私を見なかった。どんな事があろうとも。

「彼がそんなことするはずないでしょ!」
「そんなひどいこと言っちゃダメだよ」
「気のせいじゃないかな」

少し怒って同僚が私を咎めた。親に零した言葉を咎められた。心がしんどくなってお巡りさんに相談しても、困った顔して笑っていた。

何もわからなかった。どうして理解してくれないのか。実害がないと動けないからと、気を紛らわせる言葉をかけたお巡りさんが、悪魔に見えた。そんな戯言言ってる暇があるの?と遠回しに言われた気がした。

ただ頭が動いていたのはそれまでだった。
頭が真っ白で、言葉がいらないように思えた。私が喋っても、何も信じてもらえないから。

気が付いたら辺り一面真っ赤。真っ赤になった包丁を握った私の手が血でベタベタしていて、何度か手を握っては緩めてを繰り返していても、現実がわからなかった。何が起きているのか。

警察が詰め寄ってくる。眠った探偵が私を名指す。
そして、最後に彼等は、私の最も嫌う残酷な言葉で私を咎めた。

2018/04/15(Sun) 11:47

[コメント書込]

[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ