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 あの日、部屋から出てご飯を食べるため一階に降りたものの母から制服を着るよう急かせれ、中等部の入学式当日だと知れたので新聞を確認する手間は省け、安堵したのだが別の問題──この頃の私と“今の私”では受ける印象も大分違うことに、母から指摘を受けるまで気付かなかった。

 曰く、『祐巳ちゃん昨日と随分雰囲気が変わった気がするわ』とのこと、普段は抜けてる癖にさすがに気付くかと、気付かれることに気付かなかった私の間抜けさを嘆くべきか……とらあえず、もう中学生だからと大人ぶって背伸びしているようにしてみたら微笑ましげに納得していたので平気だろう。

 ━━そんな風に納得してしまった我が家族たちに、なんとなく苦笑してしまうというか、なんともいえない気分になったのだが。

 学校のクラスメイトも幸いと言うべきか、初めて同じクラスになった者や中等部から外部入学してきた子もおり、なんなくイメチェン(笑)に成功したので良しとする。
 
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