Main(長編/不器用な彼女シリーズ)

□Episode 12月24日
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家の前の公園まで行くと、

さすがに私はビックリした。
六つ子が、きっちり、おそろいのサンタ服で、
しかも色違いを着ているのだ。
一松も、きっちりと、紫色のサンタ服を着込んでいる。

「ええ〜!全員サンタ服!色違い!可愛い〜」と夢中で言ってしまった。

「ああ、そっか、6人でパーティーするって言ってたもんね、見せにきてくれたの?ありがとう」

というと、
6人それぞれ、照れたように笑っていた。

チョロ松君が、「急だから、何も用意できなかったんだけど、これ。」と言って、
サンタの形の可愛いアイシングされた、クッキーを手渡してくれた。

お礼を言う間もなく続けて、
「俺も用意できなかったからこれだけね〜」
と言って、
おそ松が、私のほっぺにチュっとして、
怒る間もなく、
「続きは一松にしてもらってね〜」と
逃げ帰ってしまった。
それをあわててチョロ松くんが怒って追いかけていく。

「あ〜!おそ松兄さんズルイ!僕も!」と
「ほっぺた頂き、オナシャス!」と
同時に、私の両頬に、トド松くんと十四松くんが
チューっとして、

「メリークリスマス!」と叫んで走って帰っていった。

そして、カラ松くんが、私の手を取って、
「この星降る聖夜の一刻を、カラ松ガールと会えるなんて・・ベイビー」と続けようとしたところで、

一松が、後ろからカラ松君を蹴り飛ばし「失せろ・・」と言うと、

「ジーザス・・・」と言いながら、涙目になってカラ松君は帰って言った。


一松が、そばに寄ってきて、
「プレゼント交換が終わったらさ、暇でおそ松兄さんたちが、莉乃にプレゼント渡すって勝手に来ちゃって・・。」
「まあ、こんなことだろうと思ったよ」

と呆れたように息を吐きながら、私のキスされたホッペをゴシゴシこする。

「ごめんな」と言うから、

「全然、うれしかったし、超、楽しかったよ!

6人とも、本当のサンタさんだよ。」

と言うと、一松は、嬉しそうにはにかむ。

「ねえ、一松サンタさん、プレゼントは?」
とイジワルっぽく聞くと、

「何にも、用意できなかった、ゴメン」と言うから、

「そういうことじゃないんだけど。」と目を見ながら言って、そっと顔を近づけると、

一松も気がついて、優しく唇を合わせてくれた。

いつもより長めに、そしてゆっくりと唇をなんども重ねて強く抱きしめられる。

「んぁ、はあ・・」と唇を離すとため息とも吐息ともわからない声が出た。

私は、一松に抱きしめれながら、
「やっぱり、サンタさん、プレゼントが欲しいかも」

一松は「何?」と聞いてくる。

「来年もずっと一緒にいてね」と腕の力をぎゅと込める。
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