Main(長編/不器用な彼女シリーズ)

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あの、騒然とした、大騒ぎの日から
しばらくたった。



私が殴った隣のクラスの女は、
リーダー格だけあって、なかなかの権力者の
娘らしくて、

ありとあらゆる理由を付けられ、
私は、3週間の停学処分となった。

まあ、学校でのポジションがなくなったと共に、
優等生と言う背負っていたものをなくして、

私は、むしろすがすがしく思っていた。



停学中に、トド松くんと、十四松君が遊びにきてくれて、

私に関する噂に関しては、

たぶん話を聞いたおそ松君が次の日に、校内放送ジャックをして、

「俺は、莉乃ちゃんを教室で襲ったけど、振られました!
僕たち、六つ子は、まだまだ全員童○ヒーローズです!」

と全校放送で流したらしく、

おそ松くんは二週間の停学処分となり
私に関する噂も、私が被害者ということで
収めてくれたらしい。

まあ、一番の被害者は、何も知らないのに
勝手に童○だと校内放送でばらされたカラ松くんかもしれないけど・・・。

いつもいつも、どうしようもない長男だと思っていたけど、
全力で、弟たちを守る、本当に良い長男なんだなと、ちょっと感動した。
本人には内緒だが。


一松とは、あれ以来会っていない。

あの日、「どこにも行かないで」と「好き」と伝えた私を、落ち着くまで抱きしめてくれた。

でも、何も返事をもらえないまま、今回の停学になってしまった。


明日から、停学が開けて、久々に学校に行く。
もう友人もいないし、優等生のポジションも無い私がどうなるかわからないけれど、

なんだかさっぱりして、遠足の前の日みたいに
ワクワクしている自分もいた。
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