Main(長編/不器用な彼女シリーズ)

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一松と、晴れて付き合うようになってから、一ヶ月たった。

もう、高校2年生もそろそろ終わりが見えてきた1月下旬となった。

学校では、もう、優等生も笑顔も辞めた私だった。

疲れたときは疲れた顔するし、不機嫌になったりもする。
毎日、伸び伸びと、好きなことやったり、嫌いなことに文句言ったり、
新しい自分での学校生活は、正直楽しかった。

そして、そんな私と一緒に過ごしてくれる
友達も何人かできたのには、正直驚いた。

もちろん、数は少ないし、他の人には嫌われることも多くなったけど、

本当の私の事を面白いといって、話すようになった友人とは、一緒にいるのが楽しくて仕方が無かった。

もう少しで、高校2年も終わりだと思うと、
毎月面倒だった、集計の仕事さえ、名残惜しくなってくる。

今日は、久しぶりに、松野家にいって
いつもの委員の仕事をすることになっていた。

もちろん、楽しい仕事ではないが、
クリスマスや、年末年始は、もちろん一松と過ごしたものの、

新学期が始まってからは、なかなかゆっくり話すこともできなかったので、
今日は、一松に家で会えるのも嬉しかった。

放課後、松野家にお邪魔をして、いつもどおり
委員の仕事をしていた。

一松と付き合うようになってから、
さらに嬉しそうに抱きついてくる十四松君を
交わしながら、
なんとか、1月分の委員の集計を終えた。

チョロ松君と、

「もうあと二ヶ月で委員会も終わりだね〜」
など話していると、

恒例のお茶の支度が始まった。

おそ松君たちが、がやがや二階から、降りてきた。
そして、
長兄がニヤニヤしながら、

「一松が、寝てっから、莉乃ちゃん起こしてきてよ」と言われた。

からかわれて
言われたとおりにするのも癪だけど、

なかなか二人きりになるのも久しぶりなので
その通りにすることにした。
2階へいって、襖に向かって

「一松??空けるよ〜」と声をかけて、いちおう襖を開けた。

緑色のソファで、だぼだぼのパーカーとジャージ姿で、気持ちよさそうにスヤスヤ眠っていた。

人の事は言えないけれど、いつも不機嫌そうに言葉数のすくないこの彼氏でも、
かなり幼く見えて可愛いなと思ってしまった。

「一松、起きて〜、そろそろ私も帰るからお茶しよう〜」と軽く肩をゆすっても起きなかった。

そして、なんとなくイタズラ心で、唇をギリギリまで寄せてみて、でもやっぱり恥ずかしくて
離れようとしたら、

頭を軽く掴まれて、そのままキスをした。

「もう、起きてるなら起きて来てよ!!」と軽く怒ると、
一松は、寝てたよ・・・今起きた・・。
などなど、可愛いことをボソボソつぶやいていた。
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