短篇

□一松ガール
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カラ松さんは心底嬉しそうに笑って、

「ありがとうありがとう!!これで安心だ!
君はもう、一松ガールだ!!
いや、カラ松シスターだ!!」
と嬉しそうに抱きついてきた。

いやいやハグはいきなり困りますと、カラ松さんの肩を押し返したところで、

今にも犯罪を犯しそうな闇のオーラを放って
一松がそばに立っていた。

「おいクソ松が、何してくれちゃってるわけ??」と
カラ松さんの胸倉をつかみ、揺さぶって追い払ったところで、

私の手を掴んでその場を早足でその場を離れた。
「咲乃も、何楽しそうにクソ松と話しているわけ?ハグまでされて、おれが怒らないとでも思ってるの??」

と今までないような怒りをぶつけてきた。

私は、
「ゴメン・・・ハグされた隙があったのは謝るけど、カラ松さんと話したことについては謝らないよ」
と言った。

素直に私が謝ると思っていただろう一松は
不満そうに舌打ちして、

「は?何それ?これからも仲良くするつもりなのかよ?どーゆー趣味してんだよ」
とかなりの闇松になって怒りをあらわにしていた。

私は、ちょっとテレながらも、思い切って、
「カラ松さんとも、おそ松さんとも、チョロ松さんとも、十四松さんとも、トド松さんとも話してみたいよ。
ううん、仲良くしたいよ。

だって、将来は、私の兄弟になるかもでしょう??」
と言った後に、大胆すぎたかと下を向いてしまった。
一松は、呆然としながらも、ようやく意味がわかったみたいで、

真っ赤になりながら、口をパクパクして
動揺していた。

そして、顔を見合わせて二人で笑った。

手をつないで歩き始めたときに、
「咲乃、来週さ、うちの実家で飯食う?」
と言った。

私が、「えっ」と顔を見ると
真っ赤になりながら、
「ちゃんと紹介するよ、まだ紹介してない兄弟と・・・
あと父さんと母さんに」
と汗をかきながら伝えてくれた。

私は、「はい」と頭を下げた。

「じゃあ、私は一松ガールだね」と言ったら、

一松は、心底いやな顔をしながらも、

「いや、普通に彼女で良いよ」と
つないで手に、そっと指を絡めてくるのだった。
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