短篇
□世界の終わりは君と一緒に
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**松野 一松**
「は?明日?明日世界が終わるとしたら?」
「うん、そうしたらどうする?」
「安心するかも」
「えっ?」
「家があって、親と兄弟がいて、君がいて
誰も欠けないこの瞬間に世界が終わるなら、
俺はその方が安心する」
「そうなんだ?一松はもっと生きたいとか思わないの?」
「どっちでもいい。
世界の最後の一秒まで君と離れないなら、生きてても死んでてもどっちでもかまわない。」
**松野 十四松**
「えっ明日?あした世界が終わっちゃうの?
ゴハンも食べれないし、テレビも見れなくなるの?」
「うん、そう、そうしたら十四松くんはどうする?」
「えーと、野球!皆で野球しよう!そのあと海に遊びに行ってみんなで泳いで、
焼肉食べて、花火して、
一日中いっぱいいっぱい遊ぶの」
「十四松くんらしいね、そしたら世界が終わっても悔いは無い?」
「悔いはあるよ!君ともっと遊んでもっとギュウってしたかったよ!
でも、世界の最後の一秒まで君と笑っていようとおもう。」
**松野 トド松**
「うーん。明日が、最後だとしたら
今までやれなかったことを全部やりたいね。
一番高くてすてきな服を着て、今まで見たこと無いような景色が綺麗な場所に行って、
今まで食べたこと無いような美味しいものを食べたいな。」
「ちょっとそれ、わかるかも」
「まだまだ見てないものも、行ったことないところもたくさんあるよ。
世界は広いんだから、明日一日じゃ見つくせな・・・」
「ちょ・・ごめん、トド松くん泣かないで・・」
「・・んっゴメン。世界の終わりを想像したら、行ってないところもやり残したところもたくさんある気がして・・」
「うん、わかる。」
「だから、世界の最後の一秒まで、君と世界をどこまでも見に行こう」
。