短篇
□しゃっくりの止め方(チョロ松編)
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びっくりして身をよじろうとすると
チョロ松が、「ちょっと動かないで黙って」
と言う、
後ろから抱きしめられているので、必然的に声が耳元で囁かれて、全身がゾクりと感じる。
抱きしめられたままチョロ松の手が私のTシャツにすっと入る
「ひゃっ、ちょっと、チョロ松・・」
微かに抵抗しようとしても、後ろから回されている腕にガッチリと阻まれて身動きが取れない。
六つ子の中でも、十四松とカラ松は力が強いのは知ってたけど、一番細いチョロ松でも
こんなにすっぽり抱きかかえられて、抵抗も出来ないなんて、やっぱりチョロ松も男なんだなと思ったら顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなってきた。
チョロ松の手は、そのままTシャツの中に入りキャミソールをたくし上げ素肌に触れる
「んっ、はぁ」くすぐったいのと恥ずかしいので赤くなるか顔を隠すようにゆっくり息を吐いた
チョロ松の手は
私の胸のうえの鎖骨まで移動して
鎖骨の中心を軽く揉んで押す、そして服の中で
キャミソールとブラの紐も肩から落として
鎖骨の脇の骨の下を揉む
くすぐったいのと少し痛いので身をよじって
「ちょっと、もうやめて・・」と少し振り向いて懇願しても
チョロ松は、今まで見たことも無いような真剣な顔で、
「もう少しだけ・・少し黙ってて咲乃」
ムダに良い声で名前を呼ばれて、力が抜ける。
チョロ松の手が、鎖骨からお腹に移動して、
おへその辺りをザラリと撫でられて体がビクっと反応する
そして、おへその少し上を押されて揉まれる。
片方の手は、わき腹に添えられてくすぐったくて体が震える。
チョロ松の冷たくて長い指が体を這って
くすぐったさと快感に似たものがせりあがってきて、息を吐くと声が漏れそうになるを必至に我慢する。
「よし、終わった!」
チョロ松が私のTシャツから手をぬいて立ち上がる。
「へ?」びっくりしてマヌケな返事をしてしまった。
「え?何?なんだったの?」ずらされたキャミも直さないまま私は、満足そうなチョロ松に質問する。
「天突(てんとつ)気舎(きしゃ)巨闕(こけつ)」
「え?」
「しゃっくりを止めるツボだよ。鎖骨の下と鎖骨の脇、みぞおちの下を押すとしゃっくり止るんだよ、止っただろ?」
チョロ松は得意げそうに言う。
気がつくと、あれほど続いていたしゃっくりは止っていた
「あ、本当だ止ってる!ありがとう・・・じゃなくてなんであんな体勢で、し、しかもあんな手つきで・・・・」
怒ればいいのかお礼を言えば良いのかわからなくて混乱する
「なに怒ってんの?一松も十四松もトド松も今のツボ押しやってやるとすぐにしゃっくり止るから同じようにやっただけだけど」
平然と、何言ってるの?とでもいうようにチョロ松は何も無かったかのように読んでた本の続きを読み始めた。
私も、それ以上何も言えずそのままソファに座り直し漫画の続きを読む。
でも、漫画の内容は全然頭に入ってこず
『動かないで黙って』
『咲乃』
耳元で囁かれた声、抱きしめられた腕、背中に密着したチョロ松の体を思わず反芻していまい
感触が離れずにパニックになる。