tennis*二次創作*
□データ処理▼柳幸
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データを盗む彼のノートを、好奇心から見たのが俺の間違いだった。
「じゃあ皆、それぞれ各自支度をして速やかに帰るように。」
そう声をかけると、それぞれ返事をしてくれる。
俺も肩に羽織っていたジャージをちゃんと着て、ロッカールームへと向かう。
「幸村、すまないが少し自主練をしていこうと思うのだ。待っててくれるか。」
いつも一緒に帰っている仲なので、心良く許可を出す。
すると真田はやけに嬉しそうな笑顔を浮かべながらテニスコートに戻った。
自分のロッカーから荷物を取り出す。
真田は恐らく後一時間はいるだろう。
急に暇になったから後輩で遊ぼうと思ったが、既に俺と柳と真田以外は帰宅していた。
そんなに帰りたかったのか。
「…柳…、」
「暇で死にそうだ、相手をしてくれとお前は言う。」
目を閉じてそう得意気に言ってくる柳に少しイラッとする。
ただ、これが彼なのだから仕方がない。
「何だ、分かってるなら何かしてよ。」
「生憎、俺には精市が満足するようなものは持っていない。」