tennis*二次創作*

□憂鬱▼幸村
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幸村の気分は比較的分かり易い。

そう言われていい気分になる人がいるだろうか。




今日は珍しくついていない日だった。


朝から何もない所で躓く、友人に置いていかれる、何故か真田と喧嘩をした。


久々だったものだから、今の俺は破裂寸前の風船だと思ってくれると分かり易いだろう。


とにかく、今までにないくらいの黒いオーラがでているのだ。



話しかけてくる奴はおろか、近付いてくる奴もいない。


それが賢い判断だと俺も思うよ、皆。



勿論部活動の時間帯になってもそれは治らず、とりあえず皆に校外100周をしてきて貰う。



「…だ、誰だよぃ…幸村君の機嫌損ねた奴…ハァ、ハァ…」



ブン太がそう言ったのを機嫌の悪い俺は聞き逃さない。


笑顔でもう100周いってくるか、と問い掛けるとすぐに黙ってくれた。



「む…精市、今日はすまなかった。」



何を悟ったかは知らないが、急に頭を下げてきた真田。


本当に…真田はタイミングが悪い人だな。



「へぇ…俺がそんな程度の謝罪で許した事、ある?」



腕を組み、足を組んでそう告げる。



俺はベンチに座っているせいか、立っている真田よりも低い。


でも、上から目線は止めないよ。



ラリーをしていた部員達も、顔を真っ青にしながら此方の様子をチラチラ伺っている。



「「(原因はお前か真田。)」」



皆の心が一致した時だった。



「ししし、しかしだな精市。最近たるんどる部員が多い上にお前が注意をしないから…。」



「ハァァア?お前は何、俺を怒らせたいわけ?」


思わず立ち上がって真田を睨み付ける。


真田はそれが恐ろしかったようで、口を閉ざした。



「……いいよ、もう。お前が部長やれば。」



そう吐き捨てるように言うと、目を見開き酷く慌てる真田。


「それは違う!!」



俺の肩を両腕で掴んでくる。


力があまりにも強いので、顔を歪めて痛いと囁くと真田は緩めてくれた。



「…何が違うの?結論としてはそう言う事でしょ。」
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