リクエストSS

□誰にも渡したくない
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「話、聞かせてくれるかィ?」
「うん……」

神楽は見合いの話、自分が今悩んでいること、
全てを打ち明けた。

「もう、わからないネ。ここは本当に大好きアル。
けれど、夜兎族も大切アル」
「うん……チャイナの思い、わかった。なぁ……」
「どしたネ?」
「その見合い断れよ。テメェはここでいつまでも
俺と喧嘩してやがれ。……行くな」

「行くな」
その一言はどこか切なく、寂しい気持ちから
出てきた言葉のように聞こえた。

「夜兎の子だろうが、自分の可愛い子供だ。
自分が愛した女だ。幸せにしたい気持ちは
揺らぐことなんてないし、俺だって……幸せだよ」
「へ?俺?何言ってるアルか……」
「は!?いや、えっと…俺ならチャイナのこと
不安にさせたりしないってことだ」

自分でも何を言っているのかよくわからなかった。
けれど、何が言いたいかということははっきりしていた。

「もう見合いは断れ。お前は、誰にも渡さない。
渡したくないんでィ」
「……え、プロポーズ?」
「とは違うが……いや、違わねぇか?あれ?」
「サド……」
「お、おう……」
「ありがとアル。私断るネ!私ここから離れないヨ。
それに、大事なこと忘れてたネ…まだ、お前との
決着ついてないアルヨ!お前と離れるわけには
いかなかったんだヨ。すっかり忘れてたネ」
「チャイナ……」
「サド、ありがと。私のここ、お前の名前で
予約しといてやってもいいアルヨ!!」

神楽は自分の左手の薬指を指して、にんまりと笑って見せた。

「それじゃ私は帰って断るってこと銀ちゃんたちに
報告するアル。じゃあな、沖田」
「ちょっ、待ちなせェって……えっ!?」

(今、名前で呼んだよなァ……う、嬉しい)

ジワーっと込み上げてくるものを感じた。
それはたくさんの幸せを感じることができる、
そんな暖かいもの。
どこにも行かないでくれる安心感と、好きな人に
少し近づけたかな?という気持ちからきている
のだろう。でなければ、こんな思いをすることなんて
ないし、こんな思いを知ることなんてないだろうから。

* * * * * * * * * * * * * * * *

ミミ様、リクエストありがとうございました!
ちょっと考えていたものから外れてしまいましたが
これもこれでアリかなと;;;;;;;
こちらの続きとなるお話も書きたいなと思います。

どんどん内容が薄くなっていて面白味に
欠けると思いますがすみません…これが限界です。

脱字本当にすみませんでした…
パピーの名前ちゃんと直しました…汗
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