他SS

□主、一緒に寝ましょうか。
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「オビ……お前少しの間居てくれ」

まさかゼンがこのようなことを言うとはと驚いた。
それぐらい、ミツヒデのことで考え込んでいると
いうことだろう。

しかし、この状況には少し参る……
どうしたものかと考え、思い付いたことを言って
みた。

「歌でも歌いましょうか」

さぁどうだと構えていると、あっさりと断られて
しまった。

(あちゃあ…失敗)

すぐ空気が重たくなる。
ゼンはベッドに横になり、背中を見せている状態。

(主、今どんな顔してるんですか?)

その背中からは、暗い顔して悩んでるゼンの姿しか
思い浮かばない。

オビはベッドに近づくとゼンの背中に手をあてた。

「オビ、どうした?」

体の向きは変えず、そのままの姿勢で声をかける。

「主、あまり1人で抱え込まないでください。
それに、今は俺が側にいます」

その言葉は王の側近として、そして、それとは別に、
ゼンを大切に思う気持ちから出た言葉だった。

本当にいつからだろう。
この人を主とし、この人の側にいたい。この人を
大事にしたいと思い始めたのは……
恋心にも似た気持ち。
いや、恋心なのかもしれない……

ゼンはむくりと起き上がった。

「主?」

急に起き上がったゼンに驚き、目を見開く。

「オビ……」

オビ、と名前を呼ぶ声はいつもの……いや、
いつも以上に優しいものだった。

「オビ、ありがとうな」

ふわっと微笑み、礼を伝える。

(あぁ、この感じ……)

今までも、この人はこうやって優しい顔して
「ありがとう」って言ってきていた。

この顔を見ると、こちらまで自然と笑みがこぼれる。

「主、少し元気になりましたね」

(いつもなら言うだけだけど、今日は特別にいい
ですよね、主……)

オビは優しく、ゼンの頭を撫でた。

ゼンは少し戸惑っているようだ。

「オビ……?」
「主、俺はいつでも主の側にいるし、主が呼べば
すぐに行くよ。だから、何かあったら言って…?」

まっすぐゼンの瞳を見つめる。
本気だということ……

「ん、約束するよ」
「絶対ですよ?」

名残惜しいが、ゆっくりとゼンから離れる。
これ以上近づくことはできない……

「オビ、こっち来い」
「え?」
「いいから来い」
「いやいや…これ以上は……」

目を泳がせながら少しずつ距離をとろうとすると、
手首を掴まれ逃げることができない状態にされて
しまった。

「あ、主……?」
「もう少しお前と居たい」

たまには俺の我が儘も聞いてくれ、と頼み込む。

「主……」
「なんだ?」
「誘ってます?」
「そんなわけないだろ!」

誘われてたらもっと嬉しいんだけどなと思いつつも、
今こうやって隣に座っていられるということにとて
も喜びを感じていた。


(主、一緒に寝ましょうか!)
(断る)


ATOGAKI postscript
オビゼン大好きです。側近という立場も萌えます。
いやらしい妄想しちゃいます…だって側近とか…
側近ですよ…?(理解求む)
お風呂シーンとか鼻血垂らしてましたね。
「あぁ、この身体とこの身体が重なって…」とか
考えちゃいましたね。考えました。
2人とも良い身体してますよね。

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