他SS

□正しくあるために
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お嬢さん、好きですよ……
あんたの赤くて綺麗な髪も、笑っている顔も、
声も、自分の道を歩こうと頑張っている姿も、

主のことを大切に想っているところも__

全部が大好きだ。
その髪に触れたいし、笑顔も、声も、
全部独り占めしたい。「好き」と言いたい。

『無理矢理にでも自分のものにしちゃえよ』

そんなことできるわけないだろ。
お嬢さんには、主がいる。

『綺麗事なんか並べちゃって…それでいいわけ?』

いいんだよ。これが正しいんだ。

『馬鹿なヤツ。いつまで良い人でいられるかねぇ』

うるさい。

『絶対後悔するって』

黙れ。

『もう、奪っちゃえよ』

黙れって言ってんだろ!!

「オビ、大丈夫?」

(あぁ、夢か……)
白雪に声をかけられ目を覚ます。

「変な夢でも見た?」
「そーですね、怖かったな〜。主が血相変えて
追いかけてくるんだもの」
「ははっ、それは災難だったね」

いつもの笑顔が見れた。
この人には、心配かけたくないと心底思う。
だから、

「お嬢さん、主に伝えといてくださいよ。
血相変えて追いかけるのだけはやめてくださいって」

いつも通り、あなたの隣で笑い、
あなたを笑顔にする。
あなたを支え、あなたの力になる。
そして、あなたが大切にしているものを
ずっと、側で見守っているよ__

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