他SS

□これが間違った愛だとしても
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あの出来事から1週間が経とうとしていた。
コナンは、ベルモットのことが頭から離れなかった。
どんどん拒否反応が薄れていき、逆に期待ばかりを
膨らませていた。正気か、と何度も思った。
しかし、この感情が消えることはなかった。

(もう俺やべぇな……)

下校中、ため息をこぼしながら歩いていると
路肩に、あのベルモットのハーレーと同じタイプの
ものが停まっていた。

(バーロ、ここにアイツがいるわけねぇだろ)

考えすぎだ、と言い聞かせ通りすぎようとした瞬間

「ハ〜イ、シルバーブレット」

俺のことをシルバーブレットと呼ぶヤツは
1人しかいない……

「ベルモット……!」

なんとそこにはベルモットの姿が。

(あのハーレーはコイツのか……)

「ねぇ、今からちょっと付き合ってくれない?」
「何の用だよ」
「いいから来てよ。つれないわね」

そこまで言われると断れない。
「ったく、しゃーねぇな」と付き合うことに。

「おい!スピード出しすぎだぞ!」
「大丈夫よ、これくらい。それに、有希子ほど
じゃないわ」
(あー確かに母さんのほうがやべぇな)

「なぁ、どこに行くんだ?」
「ヒミツ」

「もう少しよ」とだけ言い、走らせる。

「ねぇ、少し目閉じててくれる?」
「は?何でだよ」

その言葉の意味がわからない、と顔をしかめる。

「場所がわからないようにしたいのよ」

とても危険としか思えない台詞。
しかし、ベルモットがこんな堂々と何かを
やらかすということは考えにくい。

「わかったよ…着いたら言えよな」

そう言い、目を閉じる。

どれくらい経ったのだろうか、「開けて良いわよ」と
言われ、目を開けてみる。

「屋内駐車場……」

場所はどこかの駐車場。
ベルモットは「降りるわよ」と言い、コナンを降ろす。

「こっちよ」
「ん?あ、あぁ」

あとを着いていくと、エレベーターに乗り込み、
どんどん上の階へ上がっていく。

おおよその検討はついた。
しかし、本当かどうかはわからなかった。

「もうどこなのかわかったでしょう?」
「あぁ。でも何でここに?」
「あら、わかってるくせに……」

ここでとぼけることもできるが、今更そんな必要は
ないだろうと判断し、こう言い放った。

「この体相手にするのか?」

ベルモットは驚いた顔をすると、声をあげて笑った。

「さらりと言うのね。でも残念。半分間違ってるわ」
「はぁ?意味わかんねー」

そうしている内に目的の階に着いた。
案内された部屋はベルモットが実際に使っていた
部屋だった。

「グラスとか片付けろよな」
「あとでやるわよ〜」

「几帳面なのね」とこぼす。
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