他SS

□サプライズバースデー
1ページ/1ページ


「コナンくんー」
「蘭姉ちゃんどうしたのー?」
「ポストにコナンくん宛の手紙入ってたよ」

蘭は「はい」とコナンに手紙を渡すとエプロンを
つけて朝ごはんの支度に台所へと向かって行った。

宛名は確かに『江戸川コナン様』とあった。
しかし、差出人の名前が書かれておらず誰からの
ものかがわからない。

「誰からだよ……」

封筒を開け、中身を見てみる。
中には、一枚のカードが入っていた。

「えーと……ってこれ、まじかよ」

カードには見覚えのあるマークが。

「キッド……アイツ〜」

『お誕生日おめでとうございます、名探偵。
ささやかながら、私からもプレゼントを送らせて
いただきます』

「プレゼントって……何も入ってないじゃねぇか」

封筒を覗き込み顔をしかめる。

『あ、探偵。プレゼントっていってもこの封筒には
入ってねぇぜ。プレゼントは夜のお楽しみ。それ
では名探偵、素敵な誕生日をお過ごしください』

「意味わかんねぇよ!」
「どうしたのコナンくん?」
「あ、ううん何でもないよ…あはは」
「そう……」
(これは絶対に言えねぇ……)

「ったく、夜のお楽しみってなんだよ……」


PM19時55分__

(何も起きねぇじゃねぇか……)

いつでも来やがれと言わんばかりに待ち構えていた
のだが、何一つ変わったことなど起こらない。

(もう20時か……)

時計を見上げてみると、ちょうど20時をさして
いた。

(アイツに限ってただのはったりってのはねぇよな)

「さぁ名探偵、華麗なショーの始まりだ」

(何かテレビでも見るか……)

「3、2……1!」

「なんだ今の音!?」

花火のような大きな音が鳴り響く。

酒で潰れていた小五郎も驚きのあまり飛び起きて
しまった。

(キッド……!)

急いで窓から外を覗く。

(キッドなら近くにいるはずだ…どこだ!どこに
いる……)

「あっ!」
「どうした小僧!って、あれは怪盗キッド…!?」

ちょうど事務所の真上を飛び回る怪盗キッドの姿。

「さぁ、名探偵。俺からのプレゼント受け取りな」

「あ、コナンくん!あれ……!」

蘭が指を差す方向に目を向けてみると、1羽の鳩が
探偵事務所に向かって飛んでくるのが見えた。

恐る恐る腕を窓の外へ出してみると鳩はコナンの
腕にとまり、首に仕込まれたボイスレコーダーから
メッセージが聴こえてきた。

『ハッピーバースデー、名探偵』

「コナンくんの誕生日のお祝い……?」
「あの野郎、コイツの誕生日なんかどこで知ったん
だ?」

(ははっ…ほんと、どこで情報掴んでんだか……
でも、アイツらしいサプライズだな)


「それじゃ、おやすみーコナンくん」
「うん、おやすみー蘭姉ちゃん」

(寝る前にもっかい聴こっかな……)

先程のレコーダーを取りだし、スイッチを押してみ
る。

『ハッピーバースデー、名探偵』
「直接言いに来いよな……」

ふっと笑いをこぼし「さて、寝るかな」とレコー
ダーをしまおうとした瞬間、ノイズに隠れて上手く
聴き取れなかったが、キッドの声がしたような気が
した。気になって、もう一度再生してみると

『ハッピーバースデー、名探偵………

……おめでとう、大好きですよ』

おめでとう、大好きですよ。

「バーロ……なおさら直接言いに来いって思っちまう
じゃねぇか」

(今度会ったときに文句言ってやる……)

照れ隠しという名の文句をたくさん、な?

16’05.04 工藤新一&江戸川コナンHappyBirthday

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ