銀魂SS

□花よりキミが
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春の穏やかな陽気が続く江戸の町。
桜も満開で、お花見日和となっていた。

そして今年も遭遇してしまった、この二組。

「おいテメー、今年もまた不味い酒になっちまう
じゃねぇか。あぁん?」
「はぁ?そりゃこっちの台詞だ。テメーらが
他所行けや」

互いに一歩も譲らない。
負けずと次々と喧嘩を吹っ掛ける。

「副長ー周りの迷惑ですから静かにしてくださいー」
「銀さんもですよー」

銀時と土方の世話役の山崎と新八が
「ほんとウチのがご迷惑を……」とそれぞれ頭を
下げていた。

ある程度準備を終えると、みんなで座り込み
「乾杯ー!」とお酒や食べ物を口にし始める。
ワイワイと楽しんでいる中、一角では恒例の
銀時と土方の対決が始まっていた。

「今年こそ決着つけっぞ万事屋〜」
「いいぜ〜後でピーピー泣いても知らないからな」

そう言うと、お酒を持ち、一斉に飲み出した。

「今年もやってるねぇ……」
「ほんと、懲りないですよね〜」

鼻で笑いながら、今年も連れて帰るの頑張らなく
ちゃと心の中で言い聞かせる。

ふと辺りを見回すと、神楽と沖田の姿がなかった。

「あれ?神楽ちゃんどこ行ったのかな……」
「沖田隊長もいない……」

どこかで暴れていないか、迷子にでもなっているの
かと心配してしまう。

しばらくすると、「新八ぃー!」とぴょんぴょん
跳ねながら帰ってくる神楽の姿が見えた。

「神楽ちゃんどこ行ってたの?心配したよ〜」
「サドに付き合ってやってたのヨ」

神楽は手に持っていた紙袋を広げ、中身を
新八に見せる。

「わぁ!お団子だ〜」

中には美味しそうなお団子がたくさん入っていた。

「土方さんの奢りですぜィ」

というのは嘘で、沖田が勝手に土方の財布で
買ってきたのだ。

「それにしても沖田隊長、買い物なら俺らに
言ってくれればいいのに」
「荷物運びは力持ちの奴がするもんでィ」
「あはは、神楽ちゃん力持ちだからな〜」
「おかげで楽チンだったぜィ」

美味しそうにお団子を頬張る神楽を眺め
沖田らは笑いながら神楽の話で盛り上がっていた。

(まぁ、本当は2人きりになりたかっただけ
なんだけどねィ)

せっかくのお花見、桜だけを見るのはつまらない。
桜のように綺麗で、暖かさを感じられる
キミを、僕は見ていたいんだ。
キミと僕だけがいる時間の中で__


(沖田隊長、絶対チャイナさんと2人きりに
なりたかったんだよ……可愛いとこあるなぁ、
沖田隊長〜)

ATOGAKI postscript
沖神に限らず、銀土とか、土沖でも思うこと
なのですが、山崎って人の恋路を察知すると言い
ますか…なんかそういうポジションですよね!?
なんかもう誰よりも保護者らしいと私は思います。
そんな山崎が大好きです。

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