銀魂SS

□一緒に居られれば寂しさなんて感じないんだ
1ページ/3ページ


「おまたせ」
「おーこれ、クリスマスプレゼント」
「お、サンキュ。俺からはあとでなんか買って渡す」
「ヤッタ、ありがと〜ね、これからどうする?」
「んー、適当にぶらぶらしようぜィ」
「だナ」

クリスマス、ということで出掛けようとなった2人。
と言っても、いつも通りノープラン。
夜にはイルミネーションを見に行くということしか
決まっていなかった。

「とりあえず外行く?」
「うん」

いつまでも駅から動かないわけにはいかない。
出口へ向かうにつれて、寒さが身に染みる。

「ほんと寒すぎヨ……」
「せめてこの風をどうにかしてほしい」

2人して体を丸め、寒さにいちゃもんをつける。
文句を言ったところでこの寒さが和らぐことなど
ないことはちゃんとわかっている。

「アーケード街行かない?あそこなら風避けなるアル」
「あー行くか。その辺ぶらーっと入ればいいしなァ」

アーケードに向かうものの、やはり皆考えることは
同じなんだなと苦笑い。
思っていた以上にアーケード内は混んでいた。

「人混みハンパないアルナ」
「人がゴミのようだー」

ほんとアル、と笑って答える。

「ゲーセン行く?」
「おっ!行くネ」

ゲームセンターに入ってUFOキャッチャーをしたり。

「よっしゃー!チョコボールゲットアル!!」
「神楽ほんと得意だよなコレ」
「取りやすいんだヨ〜でも要らない味もあって困るネ」

「もらってくれる?」と聞くと、「いや、いらね」と
即答された。

「いいもんねーそよちゃんこの味食べれるみたいだから
あとであげるもん」
「おう、そうしてくれるとありがたいねィ」

お昼ご飯にミスドに行ったり。

「俺奢るぜィ」
「まじでか。ありがとネ!それじゃ、私ポンデと
あのカスタードクリームが入ってるやつ」
「了解。席、確保してくんね?」
「任せるヨロシ」

「ドーナツはやっぱりいいアルナ」と美味しそうに
頬張る神楽と、「うわ、ミスった。手ェ汚れちまった」と
顔をしかめる沖田。

「だいじょーぶ?」
「ん、なんとか」

ドーナツに格闘している沖田の姿に笑えてくる。
クスクス笑っていると、「ちょ、笑いすぎ」と
怒られてしまった。

「ごちそうさまー今度は私が奢るからナ」
「おっ、ありがと」

お店から出て、また散策再開。
ふと上を見上げると、サンタのバルーンだろうか……
そのようなものが吊るされていた。
神楽はそれを見て「あ!」と何かを思い出したようだった。

「どした?」
「総悟、すっかり言うの忘れてたヨ……
メリークリスマス」

クリスマスというのに忘れられていたメリークリスマスの
言葉。

「俺も忘れてた……ははっ、メリークリスマス」
「あー思い出してよかった〜てか、プレゼントは
覚えてたのに何故アルカ」
「ほんとな。まぁ、ちゃんと言えたことだし良くね?」

確かに、と納得の意を示す。

「お、あの雑貨屋入んね?プレゼント見ようよ」
「入るー!」

お店の中には、ブレスレットやネックレス等の
アクセサリーがずらりと並んでいた。

「好きなの選びなー」
「え、いいアルカ!?わぁ……迷う」

これもいいなーといろんなものを手に取って
見ていると、横から「これ似合うんじゃない?」と
ひとつのブレスレットを渡された。

「あ……いいかも」

それは、黒くて光が当たると屈折でキラキラと
輝きを見せる綺麗なかっこいいブレスレットだった。

「学校につけてってもあまり目立たなくて良くね?」
「うん…!ね、これがいい!」
「おう。じゃあ俺も〜」

総悟は「俺も」といい、同じものをもうひとつ
手に取りレジに向かった。

(おそろい……!)

おそろいになる、と喜びのあまりニヤけてしまった。
しかも、今回は総悟からのプレゼント。
前は、総悟の誕生日に神楽からおそろいで
ブレスレットをプレゼントした。
これでふたつになった。それも、お互いにプレゼント
し合ったもので。

「こちら、サイズは調整されますか?」
「いえ、そのままで大丈夫です」
「かしこまりました。ありがとうございました、
またのお越しをお待ちしております」

店員さんが笑顔で見送ってくれた。
男女ペアの客、同じ商品の購入、男の人からのプレゼント。
仲良しなカップルですね、と言われているようで
またさらにニヤけてしまう。

「はい、俺からのクリスマスプレゼント」
「ありがとうー!」

早速、開けてつけてみる。

「うん、似合ってんな」
「へへっ、ありがと」

最高なプレゼントをもらってしまった。
本当に喜びで胸がいっぱいだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ