銀魂SS

□眠り姫には目覚めのキスを
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ついに自分の葬式の前夜を迎えてしまった……

(どうしよう…棺桶に入れられて、焼かれて……
うがぁー!嫌アルヨ〜)

自分は一体どうなってしまうのか、1人病室という
心細さもあって泣いてしまいそうな気分だ。

鼻水をすすっていると、ガラッとドアを開け
誰かがこの病室に入ってくる音がした。
面会時間は過ぎていたため、あぁナースさんか…と、
様子でも見に来たんだなと思った。

しかし、こんな夜遅くに来るなんて不思議だなと
疑問を抱く。
とにかく今はこのままやり過ごそう、そう
思っていたのだが、入ってきてからだいぶ時間が経つと
いうのに出ていく気配が全くない。
それに、何か点検をしているような物音も
聞こえてこない。

(何アルか!?何してるネ!?)

口にするわけにはいかないので仕方なく頭の中で
文句をぶつける。

頑張って堪えろ〜と自分に言い聞かせていると、

「おい、眉間にしわ寄ってるぞ。死んだふり下手くそ
すぎだろィ」

なんなら俺があの世に送ってやろうか、と
聞き覚えのある声と、憎たらしい台詞が
耳に飛び込んできた。

驚きのあまり目を開けてしまいそうになって
しまった。

「何でィ、起きねぇのかよ」

沖田は「ったく」とため息をつくと、神楽の前髪を
避けて額にキスを落とした。

「眠り姫には目覚めのキスを……なんてな」

明日の葬式楽しみにしてるぜィ、とだけ
言い残して沖田は病室を去っていった。

(な、何してるアルかアイツ……!てか、何しに来たのか
意味不明アル……)

永遠の別れの挨拶に来たのか、はたまた本当に
眠り姫のように眠っているふりをし続けていた私を
目覚めさせに来たのか……

この答えを知ることができる日がくることを
切に願おうではないか___

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仮病篇大好きです…////

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