銀魂SS

□路地裏ってそういう空気かもし出してると思うんだよね
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いつもの昼下がり、巡回中であろう土方を見掛けた
銀時は、「土方ー」と名前を呼び、土方のもとへと
駆け寄った。
「巡回中?」そう聞くと、「あぁ」と返ってきた。

「お仕事お疲れ様〜」

ニカッと笑いかけると、土方は急に黙り込んだ。何
度名前を呼んでも応答なし。不貞腐れたように頬を
膨らませて土方の顔を覗き込んでやると、土方の顔
はボンッと赤く染まった。顔を赤らめる土方に驚き
銀時までも顔を赤らめてしまう。

顔を赤らめる銀時の姿を見て、耐えきれなくなった
土方は、銀時の手を引き、近くの路地裏へと入って
行った。
銀時はびっくりして「土方!?」と口を開いた。
「ねぇ、土方ってば…!」後ろから何度も呼び掛け
ると、土方の足は止まり、土方は振り返った。しか
し、振り返ったと思ったときには土方の顔は銀時の
顔のすぐ目の前にまで来ていた。そして、土方は銀
時の手を離し、銀時の頬に手を添えてキスをした。
どんどん深いものになっていくキスに、銀時は溢れ
る吐息を我慢することができなかった。

「ふっ、はぁ……」

気がついたら、銀時も土方の腕、頬に手を添えてい
た。
唇が離されたと思ったら、急激にこの状況が恥ずか
しくなって、というかどうしてこうなったのかと、
頭が混乱してきた。

「土方…」そう彼の名前呼んで、話をしようとした
のだが、またしても銀時の唇は土方によって塞がれ
てしまった。
路地裏なため、身体は自然と密着する。なので、互
いの熱をすぐそこに感じるのだ。

キスも、身体も熱い……
どうにかなってしまいそう、銀時はそんな思いを胸
に、土方を感じていた。

唇が離れ、いやらしく銀色の糸が引く。お互い、
「はぁ、はぁ」と荒い呼吸をし、熱でボーッとして
いるようだった。

「土方……」
「ん……」
「やりすぎ」
「………」

「やりすぎ」と言われてしまった土方は、口を尖ら
せながら銀時を抱き寄せた。

「ちょっ、土方くん?」
「俺は悪くねぇ…お前と、この環境が悪い」

土方はボソりと呟くと、銀時の首もとに顔を埋めた。

「俺なんかしたっけ!?てか、そっちがここに連れ
込んだんじゃん!バカ!キス魔!!」


ATOGAKI postscript
路地裏っていいですよね。

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