他SS

□これが間違った愛だとしても
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「なぁ、本当にヤる気なのかよ」
「嫌だった?」
「ちげぇけど……」

半分間違っている、ということが引っ掛かるのだ。

「でも、どうしたの?あなたが嫌がらないなんて」

「嫌がると思ってたのに」と笑いながら言うベルモット。

「バーロ、オメーがあんなにするからだろ」
「あら、アタシのせいなの?」
「そーだよ」

あんなことさえなければ、この女にこんな思い
することなんてなかった、そうコナンの心にはあった。

「さっきの半分の間違いの答えよ」

そう言うと、1つの薬を渡された。

「おい…!この薬……」
「えぇ、そうよ。シェリーが作った解毒剤の試作品」
「灰原は?」
「平気よ。何もしてないわ。ただ、それを受け取って
きただけよ」

ベルモットは密かに哀にコンタクトをとっていた。
「薬をくれないか?」と。
最初は断っていた哀だったが、渋々了承したのだ。

「何に使うつもりなの?」
「簡単に言うと、工藤新一と密会したいのよ」

密会という言葉の意味はわからなかったが、
大丈夫だろうと判断したのだった。

「おい、密会って……」
「間違ってないわよー。今こうして隠れて
会ってるじゃない?」

確かに、と反論することができなかった。

「それ飲んでシャワー浴びてきなさい」
「お、おぅ」

(あぁ……本当にこんなことになるなんてな)

期待していたことが、こうも簡単に実現するとはと
驚きつつも、薬を口にする。

徐々に熱を帯びる体。そして激痛と共に
『工藤新一』の体に戻った。
シャワーで汗を流していると、「服置いとくわ」と
ベルモットが来てくれた。

体を拭き、シャツを着て部屋へ戻る。

「ベルモット、服ありがとな」
「サイズ平気だったかしら」
「ぴったりだ」
「なら良かったわ」

そう言うと、ベルモットはおもむろに立ち上がり、
新一に近づく。

「ねぇ、どうしてヤる気になったの?」
「ヤる気って……少し濁らせて言えよ」
「いいじゃない別に」

答えに困る。何故か、か……

「わかんねぇよ…ただ、あれでハマったんだよ」
「欲情したのね」
「だから濁らせろって……」
「遠回りな言い方嫌いなの」

「ちゃんと言って」とあの時みたく新一の口元に
指を添える。
新一は一度は目を反らすも、気持ちの整理をつけたのか
ベルモットの手を退かせ、腰に手を回し抱き寄せる。

「欲情した」

ベルモットは笑みを浮かべ、
「それじゃあ、始めましょう」と新一の首もとに
手を回す。
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