銀魂SS

□Be Mine
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今日は、大切な女性の命日___


土方は墓参りに訪れていた。墓石に水をかけ、
綺麗にしていく。
お花と線香を供え、そっと目を閉じ手を合わせた。

真選組のこと、近藤のこと、そしてミツバの弟で
ある沖田のこと。
この一年間の出来事を報告する。

目を開け「みんなも俺も元気にやってるよ」と
最後に伝えた。

持ってきていた四つ葉のクローバーを添えて立ち
上がる。今年も見つけるのに苦労したなと思い
浮かべながら。

何故四つ葉のクローバーを添えるのか。

これは、昔ミツバから聞いたクローバーの話が
関わっていた。


「十四郎さん、四つ葉のクローバーにも花言葉が
あるって知ってました?」

縁側に座っているとミツバに質問を投げかけら
れた。

「知らないな」と返すと、

「ふふっ、あなたはこういうの疎いからわから
ないわよね」と笑われた。

軽く馬鹿にされた気がしたが、ミツバの笑顔を
見ると怒る気にもならない。

「四つ葉のクローバーの花言葉、十四郎さんにも
知ってもらいたいです」
「教えてくれるんじゃないのかよ」
「秘密です。というかこの台詞、私が言うような
台詞じゃないですから」

あのときは知ることができなかった言葉。
あれから数年後になってやっと知ったときは
「本当だ、この台詞は言えないわ」とミツバの
言った意味が理解できた。

その花言葉とは、

『私のものになって、私を想ってください』

帰り際、

『俺はアンタのこと想い続けるから』

ミツバへの想いを込めて、

「俺のものになって、俺のこと想っててくれな」

そう一言呟き、墓を去った。歩き出すと、
軽やかな風が髪を揺らした。それは、まるで
彼女からのメッセージのようだった___


ATOGAKI postscript
「俺のものになって…」ちょっと恥ずかしい
台詞でしたね……

花言葉を題材にして書くとプロットが迷子に
なりにくいですから良いですね…!!

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