銀魂SS

□あなたの温もりに包まれて
1ページ/1ページ

今まで散々喧嘩して、暴れてきた2人
だったが、結婚して新たな生活を送っ
ていた。
小さな一戸建ての家を借りての同棲。
最初は不馴れなこともあったが、徐々
に慣れていき、元気いっぱいな明るい
生活を送るまでに成長した。

そんな生活も早数ヶ月。
沖田はいつも通り、仕事を終え帰宅し
てきた。

「ただいま」

奥からバタバタと走ってくる嫁の神楽。

「お帰りアル」

この笑顔を見ると、1日の疲れも一気に
吹っ飛ぶ。

「飯できてるっぽいねィ。いい匂い」
「おぅ。あ、でもご飯前にちょっとい
いアルか?話あるネ」
「うん、いいけど…どうかしたのか?」

茶の間に向かう途中、真面目な顔を
して「話がある」という神楽。
何事だろうかと心配になってしまう。

「ソーゴ……」

うつむく神楽。
その表情は明るいものではなかった。

「かぐ……」

あまりにも様子がおかしい、そう思い
名前を呼ぼうとした瞬間。
神楽は顔をあげて、こう言い放った。

「赤ちゃん、デキたヨ」

いつものニカッとした笑顔ではなく、
大人の、母親の顔をした笑顔だった。

「ほんと、本当か……!」
「うん…3ヶ月だって」

お腹に手をあてて、愛おしそうにお腹を
撫でる。

「祝福、するヨロシ」

顔を赤らめ、今にも泣き出しそうな神楽。
必死に堪え、笑顔を作る。
いつもの、いつも以上の笑顔を。

そんな神楽を見て、沖田は涙を流した。

「神楽っ、神楽、おめでとう……」
「嫁が泣くの我慢してるのに、旦那が
こんなに泣いてどうするアルか」

沖田の顔に触れ、そっと涙を拭う。

「もう嬉しすぎてさ…嬉しいよ、神楽」

神楽の肩に頭をコツンと乗せ、「嬉し
い」と何度も口にした。

神楽から離れると、手を掴み

「神楽のことも、産まれてくる赤ん坊
のことも俺が幸せにします」

改めて気持ちを伝えた。

これを聞き、神楽は涙を流した。
堪えていたぶんの涙も、全て。

涙を流す神楽をそっと抱き寄せて、
背中を擦ってあげる。

神楽、と彼女の名前を呼びながら__


ATOGAKI postscript
嫁が我慢してるのに旦那は大泣き。
沖田くんならきっとそうじゃないかなぁと
思います。神楽ちゃんに「泣くなヨ…」って
頭撫でてもらう沖田くん、こんな沖神を考えるの
好きです。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ