日進月歩番外編

□猫と音駒の遭遇
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『……何だこれは』





雪村怜17歳、大量の猫と遭遇しました。


































事の発端は数分前。
部活を終えた俺は、鉄朗たちと一緒に帰り道を歩いていた。

すると突然何処からか「ニャー」という鳴き声が。










「……今の声、ネコ?」




研磨が反応し、他の奴らもどこだどこだ?と探し始める。







「あ、いた」




鉄朗が指をさした方向は公園。
俺たちは、できるだけ足音を立てずに近づいてみる。目に入ったのは、大量の猫。







『……何だこれは』




そして、冒頭に戻る。































「うわー……凄いな。一体何匹いるんだ?」

「1、2、3、4……えーと合計10匹だね」





衛輔は驚きの声を上げ、信行はその横で数をかぞえる。
すると1匹の猫が「ミャオ」と言って、こっちへやって来る。
その猫の鳴き声で他の猫たちも俺らの存在に気付き、トコトコと歩いて来る。







「うわっ!なんかいっぱい来ましたよユキさん!」

『俺に言うな俺に』

「猛虎さんビビってんですか?」

「ビビってねえわゴラァ!適当なこと言ってんじゃねえぞリエーフ!」

「うるせえ山本」








俺たちの足元にやって来た猫たちは、「ニャーニャー」と鳴き始める。


こいつら、人間慣れしてやがる。



自分の足元にいる猫をじっと見てみると、妙な親近感を覚える。

んー……誰かに似ているような。

頭の毛が、ところどころ跳ねている猫を見て思う。





あっ、そうか。






『こいつ、鉄朗だ』

「は?」




何言ってんだこいつ。みたいな目で衛輔が俺を見てくる。
いやいや、だって。






『こいつの頭の毛の跳ね具合、絶妙じゃね?これ鉄朗だろ』

「プッ!確かに」

「ナンデスカユキくん、夜久くん」






でもよくよく見ると、どの猫もよく知っている奴に似ているんだよな。






「じゃあ、この灰色のネコはリエーフっすね!」

「ユキさん!この小さいネコなんて、夜久さんにソックリじゃないですか?ほら、夜久さん小さいし」





そう言ったリエーフの尻に、衛輔の綺麗な蹴りがはいる。
あいつ、絶対バカだ。衛輔に身長の話はあれだけタブーだって言ったのに。







『こいつらは走と優生だな。なんか目元が似てる』

「わーほんとだ!」

「俺と芝山だ!」






キャッキャッキャと、夜の公園で猫と戯れる高校生って、異様な光景だよなと目の前の様子を見て思う。

招平なんか無言で猫と見つめあってるし、研磨は鉄朗に猫を押し付けられて嫌そうな顔をしている。




でも、気のせいだろうか。
そんな猫たちも楽しそうに見えるのは。











『……お前らに似て、賑やかな猫たちなんだな』





この猫たちの関係は、俺たちと同じようなものなのだろうか。
そう思うと、少し微笑ましかった。






























猫と音駒の遭遇
(俺たちの関係)
(それは大切な仲間)
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