日進月歩番外編

□夢主にお悩み相談!
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夜久編「蒼と心配」





「はぁぁぁ……」

『どうした衛輔?』




俺の横で、盛大なため息を吐く衛輔。
3年生になってから衛輔は、今のようによくため息を吐くようになった。








「いや、ユキが気にすることじゃないよ」

『そんなわけないダロ。俺じゃ力になれないかもしれないけど、話を聞くことぐらいならできるから』

「ユキ……。実は……」
























































『後輩がいろいろと心配、ねえ……』




衛輔が話したのは、最近の悩み。
彼が頭を悩ませていたのは、どうやら後輩のことについてらしい。








「研磨は人見知りが激しいし、山本はすぐ他校のやつに絡む。リエーフはレシーブ嫌がるし……」





はあ……。と大きなため息を吐く衛輔の肩を、俺は叩く。

何一つとして、衛輔の言葉を否定できない。
そう思うと、来年の音駒が心配になってきた。







『何か、心配でお腹痛くなりそう……』

「やめろよオイ!」







でも衛輔の話を聞いて、もうそんな時期かー。と思う。


気が付けば3年生。
来年のチームについても考えなければならない。
あと少ない時間で、俺たちは後輩たちにどれだけのものを残すことができるだろう。







『まあ、来年のことは後輩たちに任せようぜ。大事なのは今だろ?』

「……それもそうだな」








きっと、魂や意思みたいなものは、知らない内に後輩たちに引き継がれていくのであろう。

なら、俺たちが今一番してやれること。
それは目の前の試合を、一つでも多く勝ち進むことだと思う。
それはきっと、3年生全員が思っていることなんだろうな。









「なあ、ユキ。ブロックフォローの練習、手伝ってもらってもいいか?」

『もちろん。なんなら鉄朗も呼ぶか』






少しでも長く、このチームで試合をする。そのためだったら、俺は何でも協力するよ。


























蒼と心配
(そういや、今日リエーフいいの?)
(あいつ逃げやがった)
(まじか……)



2016.04.01
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