日進月歩番外編
□会話文シリーズ
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・夢主3年/夜久 「なれるなら」
「なあなあユキ。もしバレーで、今と違うポジションになるならどこがいい?」
『今と違うポジション?』
「うんそう。やっぱユキなら身長もパワーもあるしウイングスパイカーか?でも意外とセッター?」
『うーん。それも面白そうだけどもしなれるなら、そのポジションではないかな』
「?」
『どこでもいいなら俺は、リベロになりたいなあ』
「!そりゃまた何で」
『レシーブが苦手な俺からしたら、レシーブの要であるリベロは憧れる。それに……』
「それに?」
『衛輔みたいに、チームの守護神になりたい。今の俺はお前らの支えがあったからいる。だから今度は俺がチームの支えになれたらいいなって』
「ユキお前……」
『ん?』
「っ本当っに!お前っていい奴だよな!その素直さを黒尾にも分けてやってほしいぐらいだ!!」
『え、何でここで鉄朗の名前が出でくんの』
「ぶえっきし!」
「クロ汚い……」
「あー、誰か俺の噂でもしてんのかな」
「良い噂ではないことは確かだね」
「研磨クン、最近冷たくない?」
*****
・夢主3年/両親 「雪村家の朝」
『ふわああ……。おはよ父さん、母さん』
「おはよう、怜」
「おはよう。ほら、朝ご飯できてるわよ」
『はーい』
「眠そうだな怜。最近は帰ってくるのも遅いし、疲れてるんだろ?」
『インハイ予選が近いからね。練習もハードなものになってきてるよ』
「怜、わかってると思うけど無茶だけは絶対に駄目だからね」
『うん。わかってるよ母さん』
「でも、部活に戻った怜は毎日良い顔してるよ」
『そう?』
「そうさ。毎日楽しそうな顔をしてる。前までは無理した笑顔が目立ってたけど、今じゃ心の底から笑えてる。そうだよな母さん」
「ええそうね。膝のことは心配だけど、それ以上に怜のあんな表情をもう二度と見たくないもの」
『父さん、母さん……』
「って、朝からこんなしんみりした話はやめやめ!ほら二人共、弁当もできたわよ!」
『うわあ、相変わらず栄養バランスがしっかりしてる弁当だね』
「当たり前よ!健康第一!私に出来ることは全てするわ」
「さすが母さんだなあ」
『ありがと母さん。……それじゃ、俺朝練行ってくる』
「「いってらっしゃい、怜」」
『いってきます!父さん、母さん!』
これが雪村家、朝の食卓。
2016.08.22