日進月歩番外編
□彼らと私
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・もし、夢主が男ではなく女だったら
「彼らと私」
私は音駒高校3年の雪村怜。
男子バレーボール部のマネージャーだ。
もともとは選手としてプレーしていたけど、中学の時に事故に遭ってしまい選手生命を絶たれてしまった。
気落ちしていた私だったけど、高校で鉄朗たちと出会い、こうしてまたバレーに関わっている。
今日はそんなバレー部の話をしよう。
「よーし休憩!!」
『ドリンクとタオルはこっちだよー』
まず最初に1年生。
『はい。優生、走、リエーフ』
「ありがとうございます!」
「いただきますユキ姐さん!」
「うわっタオルいい匂いする!」
こいつら1年生はみんな素直。
とても真っ直ぐで、マネージャーである私にもとても慕ってくれている。
可愛い後輩というより、弟みたいな存在。
『これは、虎に招平に研磨の分』
「アザッス!姐さん!」
「……(コクコク)」
「ありがとうユキ」
2年生はみんな個性的だ。
研磨は他人と関わるのが苦手だし、招平は喋らない。
虎なんて最初は私と目すら合わなかった。
でも今は研磨もよく話すようになったし、招平も会話がなくとも言いたいことが分かるようになった。
虎とも長い時間はかかったがちゃんと目をみて話すことができる。
まあ、虎が「ユキ姐さん!」と言い出した時はびっくりしたが。そしていつの間にか、1年生までそう呼ぶようになっていたのだけど……。
『鉄朗、信行、衛輔お疲れ』
「おー」
「ありがとうユキ」
「サンキュー」
3年生は、私の恩人でもある。
彼らがいたから私はまた、バレーボールと向き合えた。
3人が支えてくれたおかげで今の私がある。
『衛輔今日調子いいんじゃない?惚れ惚れするぐらいレシーブが完璧なんだけど』
「おっ、やっぱりユキもそう思う?自分でも今日はいい感じだなって思ってたんだよ」
「うん。俺もそう見えたよ」
「ほんと、全然レシーブ崩れてくれねえ」
『うんうん!きっと今の衛輔見たらみんな惚れるよ!そしたら私、見ろ!私の親友はこんなにもかっこいいんだぞ!って自慢するな!』
「……うん、親友ね」
「……お疲れ衛輔」
「……お前も前途多難だよな」
『?』
なんか信行と鉄朗が衛輔の肩を叩いてるけど……。
まあ何が言いたいかというと、私はこのチームが大好きだということだ。
「休憩終わりー!」
「「「アースッ!!」」」
休憩が終わりみんなからボトルとタオルを受け取る。
そしてまたコートへと戻っていくチームメイトの背中を見送る。
ああ、この瞬間が好きだ。
だから私も笑顔で見送るのだ。
『いってらっしゃい!』
「「「おう!/はいっ!」」」
1勝でも多くの勝利を彼らに。
その為に私は今日もサポートする。
彼らと私
(あ、新作の飴があるんだけど)
(これだけはマジ勘弁)
(うー……)