淡く光る

□研磨
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【2】


『あ………』

「昨日ぶり」

『あの時はありがとうございました』

「……別に」


視線を逸らす

やっぱり背が高い


「なになに?知り合い?」

「昨日ちょっと」

「昨日ってーと、迷子になってた時か?」

「クロ……」

『……迷子、だったんですか』

「そーそー」

「笑わないで」


クロの足を蹴る

痛いなんて言ってるけど知らない


「ほたるちゃん、行くよー!」

『分かった、今行く』

「ほたるっていうんだ?」

『えぇ』

「俺は黒尾。んでこっちが研磨」

『そうですか。すいません、失礼します』

「おう」


背を向けて歩き出すほたる


「ふーん」

「なに?」

「べーつにー?」

「………キモい」


こっちを見てニヤニヤ笑うクロ

もう一度足を蹴る


「痛え」

「自業自得」

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