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□ネタ
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▼牛島若利の妹



「マネージャーになりたい?」

『はい』


放課後の体育館

一年生であろう女の子がやってきたと思ったらいきなりマネージャーになりたいだなんて


「ごめんね?うちはマネージャーは入れないんだ」

『どうしてですか?』

「それはねこの及川さんがかっこよすぎてマネージャーになりたいって子がたくさん来るからだよ!」

『………………』

「何言ってんだクソ及川!こいつめちゃくちゃ引いてんじゃねーか」

「嘘は言ってませんー」

『どうしても駄目ですか?』

「悪いが一人マネージャー入れちまうと他が煩いからな」

「ほら、岩ちゃんも駄目って言ってるし諦めなよ」

「ちょっと待て。及川、なんかこいつ見た事ないか?」

「え?初対面だよね?」

『まぁ』

「いや、見覚えがある」

「うーん……」


見覚えがある?

目の前の女の子をよく見る

ただの普通の女の子だと思うんだ、け……ど………

………あ、あれ?

岩ちゃんがいうとおりなんか見覚えがある気が……

いや、まさか、でも……

背中に一筋冷や汗が流れる


「ね、ねぇ」

『?』

「君さ兄弟とか、居る?」

『はい』

「……や、やっぱり?」

「お、おい及川……まさか」

「多分そのまさかだと思う。その兄弟ってさ、こいつだったり?」


取り出したのは月バリ

そこに載っているのは俺の大嫌いな男で


『はい、兄です』

「おいおい……マジかよ」


あいつと同じ髪の色

あいつと同じきつい瞳

あいつと同じ感情の読めない顔


『で、やっぱり駄目ですか?』

「駄目!絶対に駄目!!」

『どうしてですか?』

「君があいつの妹だから!」

『さっき言ってた事と違いますね』

「駄目ったら駄目!」

「おい、そこまで言うことないだろ」

『あ、お兄ちゃん?』

「ちょ!何電話してんの!」

『うるさいんで静かにしてもらえます?あ、なんでもないよ。朝言ってたマネージャーのことだけどさ』

「おっまえ、電話切れ!」

『嫌です。だからなんでもないって、でさ駄目だって言われた』

「電話切りなよって!」

『だから嫌ですって。あ、理由?お兄ちゃんの妹だから駄目だって』

「なんでそんなこと言ってんだよ!」

『え、今から来てくれるの?』

「無視すんなよ!てか来んな!来るんじゃねぇ!」

「来るとか及川さん耐えらんないよ!」

『じゃあ、私をマネージャーにしてくれますか?』


にっこり

スマホ片手に笑う目の前の女の子

おおよそあいつの妹とは思えないような笑顔

普通に見れば可愛い笑顔なんだろうけど

今はそれが悪魔の笑みに見える


「………………………………………………しかたなく、だからね」

『お兄ちゃん、もう用はないから切るね?じゃ』


言いたい事を言うだけ言って返事を待たずに切る

どこか自分勝手な性格をしている彼女はまだ笑顔のままで


「岩ちゃん、どうしよう?マネージャーにしちゃった……」

「しかたねーだろ、クソ及川。オメーがもっとちゃんと断らなかったのが悪い」

「はぁ……で、名前はなんていうの?」

『若葉です。牛島若葉』


下から覗き込んでくる牛若の妹

あーあ……

どうしてこうなっちゃったんだろう



・・・・・
っていう、牛若の妹ものを書いてみたい

2015 11 17

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