淡く光る

□山口
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【1】


「昨日の小テスト、どうだった?」

『どう、って簡単だったよ』

「そうじゃなくて点数は?」

『96点』

「すごいね!」

『すごくなんかないよ』

「でもあとちょっとで100点満点じゃん」

「どうせ凡ミスでもしたんデショ」

『蛍、うるさい』

「ぷ、やっぱり凡ミス」

『……そういう蛍は何点だったわけ』

「僕は97」

「ツッキーもすごい!」

『ちっ』

「ほたるちゃん、舌打ちしないの」

『ムカつく』


いつもの帰り道

ツッキーと俺でほたるちゃんを挟んで歩く

不機嫌になったほたるちゃんの顔と、代わりに楽しそうに意地悪く笑うツッキーの顔


「まぁまぁ、落ち着いて。二人ともすごいよ」

「そういう山口はどうだったわけ」

「えっ、俺?」

『うん』

「お、俺は78……点、です」

「何かいつもより点数悪くない?」

「勉強してなかったからさ」

『部活、忙しいから』

「僕とほたるも一緒だけど」

「そうだけどさぁ」

『今度一緒に勉強する?』

「え、いいの!?」

「いいんじゃない?」

『次の日曜とかは空いてる?』

「空いてる」

『じゃあその日に勉強しよっか』

「う、うん!」


久し振りかもしれない

ほたるちゃんと一緒に勉強するなんて

今から楽しみ!

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