番外編

□いまももちろん
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【元アンケートお礼文】

*2、3才のほたる&蛍と小学生明光
*過去捏造
*明光の激しいキャラ崩壊


  * * *


「『にいちゃ』」

「んー?なんだー?」


目の前に立つ二人の女の子と男の子

それはもちろん俺の大事な妹と弟で

二人ともちっちゃくて可愛い

俺の自慢の妹と弟

目に入れても痛くない!

いや、本当に入れたら痛いけど!


「『だっこ』」

「だっこ?」

「『だっこ!』」

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」


…………なんだこの可愛いの

いや、俺の妹と弟だけど

二人ともぷにぷにの両手を広げてこっち見上げてきたりとか

こんな小さくて可愛い二人にせがまれたらだっこするしかないだろ!?


「ほらこい!」

「『にいちゃ!どーん!!』」

「うわぁ!?」


満面の笑みで胸に飛び込んでくるほたると蛍

いくらまだ小さいっていっても二人同時に抱えるのは無理!

こいって言ったのは俺だけど!

てか思いっきりぶつかってきたよ?!

というか痛い痛い!

二人して胸に頭ぐりぐりしてきたら痛いって!

可愛いからいいけど!!


「『にいちゃ、あたまなーでーてー』」

「うーん、兄ちゃんほたると蛍抱っこしてて手塞がってるからなぁ」

「『やだー!なーでーてー!』」

「ン"ッ!」


本当なにこの可愛いの

俺いますっごく幸せ

明日死んじゃうのかなぁ……

こんな可愛い妹と弟にだっこねだられて

頭なでなでねだられて

できないって言ったらぐずってやだやだしながら頭ぐりぐりされて

痛いのに幸せだよお兄ちゃん


「あんた、なんて顔してんの……」

「母さん!だって俺の妹と弟がこんなに可愛いんだよ!?」

「あー、はいはい分かったわよ。あ、そうだそのままいてちょうだい」

「へ?」

「せっかくだから写真撮りましょ!」


名案だとばかりにカメラを取りに行く母さん

確かにこのほたると蛍は写真に撮らない手はない

だって可愛いから!!

なんて思ってたらカメラ片手に戻ってくる母さん


「ほら、二人ともこっち向いて」

「『やだー!にいちゃ、あたまなーでーてー!』」

「頭は後で撫でてやるから先に母さんに写真撮ってもらおうな?」

「『んー………わかったぁ!』」

「ン"ッ!」

「……だからあんたはなんて顔してるの、ほら撮るわよ」

「『はーい!』」

「ハイ、チーズ!」

「『ちーじゅ!!』」

「ン"ッ!」

「だからあんた………もういいわ、なにも言わない」


 * * * 


「なんてこともあったなぁ………」


久し振りに帰ってきた実家でアルバム片手に呟く

小さなほたると蛍を両手に抱いている俺が写った写真

懐かしいな


「はぁ……昔はあんなに可愛かったのに………」


すっかり大きく成長しちゃってさ

昔みたいになついてきてくれないし

むしろほたるも蛍も素っ気ないんだよな

なんて

思ってたら後ろから聞こえた小さな物音

ん?母さんが帰ってきたのか?

って


「ほたる!?蛍!?」

「ゴメンネ?兄ちゃんよりも大きくなって可愛気がなくなって」

「えっ!?」

『ゴメンネ?兄ちゃんと同じ身長になって可愛気がなくなって』

「えっ!?」


バッ、と振り返れば真後ろにジャージ姿のほたると蛍

一体いつの間に!?

部活終わったのか………

じゃなくて!!

なんかほたるも蛍も拗ねてるように見えるんだけど

いや、いつもと変わらない顔してるけどなんとなくそう思う

というか拗ねてるよ、ほたるも蛍も

拗ねてる拗ねてる

拗ねてるよほたると蛍

え、なんだ

拗ねてるのか?蛍も蛍も

…………なんだよ

なんだよ!

なんだよー!

可愛い………

可愛いじゃないか!!


「いまも可愛いに決まってるだろー!!」

「『兄ちゃん、うるさい』」

「あ、サーセン」


      fin.
 * * *


実家に帰ってきてたまたまアルバムを見て小さな頃のほたると蛍を思い出した明光。そしてたまたま明光の言葉を聞いたほたると蛍。"昔は"なんて言われてむっとしちゃったりなんかして。だけどそんなほたると蛍を可愛く思えて仕方がない明光。いまももちろんほたると蛍は可愛い。そしてきっと小さな頃のほたると蛍は明光にべったりだったに違いない。
ってのが書きたかっただけ。


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