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□あぁ?男なんぞに興味あるわけねぇだろ。
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「あ、死んだ...。チッ、使えねぇな...。」

俺はモニターの中の自分を操って敵を倒していく。
一緒にパーティ組んだやつ弱すぎる。
3ステージあんのに序盤で死ぬとかなんでこのパーティに入ったんだよ。
やっぱ、強いとこのドロップアイテム目当てか...。
このパーティはゆるすぎるな。
このバトル終わったら抜けよ。

「ゆうちゃん?今日も学校行かないの?特待生だからって引きこもるのは良くないんじゃない?」

お節介な幼馴染がドアの向こうから今日も世話をやこうとする。
昔からだ。
いい加減鬱陶しい...。

「あ?なんで俺があんなホモだらけの空間に出なっきゃなんねぇだよ。だいたい、テストで合格点とってるんだからいいだろ。」

「はぁ...。今日も朝ごはん、冷蔵庫の中にあるから食べてね。」

「へぃへぃ。」

足音が遠ざかりガチャッとドアの開く音が聞こえた。
やっと行ったか。

あいつは本当に懲りない。
俺にどんだけ冷たく当たられたとしても離れることは無かった。
今みたいに飯作ってくれんのは助かるが他人...しかも男のにそこまでされるのって引くよな。
ゲームしてる時に話しかけられんのイラってするし。
あ?ワガママだ?
俺の勝手だろうがよ。
通いたかもねぇこの学校にとどまってやってんだ。
これくらい許されるだろ?

「はぁ...。なんで俺がホモの巣窟にこなっきゃ行けねぇんだよ。志望校は別の場所なのにな。」

俺は問題なく志望校に受かっていた。
中学を卒業する1ヵ月程前に悪魔の招待状が届いた。
いや、招待なんてもじゃねぇな。
庶民である俺には拒否権もないが当然。
学校側が勝手に志望校の入学をキャンセルし招待状先の“私立煌龍(おうろう)学園”への入学手続きを進めた。
どうせ俺に渡してない方の案内状に脅しじみたことが書いてあったんだろう。

そんなこんながあってこの学園にいやいやながらも入学し、普通に過ごしていたのだが...。
この学園は閉鎖的な場所で面子はほとんど幼稚園の頃から変わらないらしい。
周りの人間がお互いのわかってるので常識というものがないのか遠慮なく土足でグイグイと踏み込んでくる。
入学式を済ましてから1週間ほどで俺はブチギレ現在引きこもりだ。
ま、テストの点数も申し分ないから文句も言ってこないがな。
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