ひだまりの日々[完結]

□十刻
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「つ、土蜘蛛おはよう。」

「お、おはよう名無し。」

「今日は名無しが朝食のお手伝いしてくれたのですよ〜。」

「そうか。朝からご苦労であったな……」

「ううん!全然!!」

(名無しのやつめ。なぜ朝っぱらから頬が赤いのだ!やっと静めて来たというに!昨夜を思い出すではないか!……直視できん。)

「親方様〜。」

「なんだっ!」

「いえ〜。今日は閻魔殿へ行く日でしたね〜。どうかなされましたか〜?」

「いっいや……そうであったな。いつも通りの書物の提出だが、明日までかかる。」
(名無しが此処にいる日数を考えると惜しいが、調子が狂っている今は丁度よいな……)

「そうなんだ。土蜘蛛明日までいないんだね……」

「あぁ。すまぬな。」
(腰が重くなるな……)



朝食を終え、間もなく大ガマがやって来た。

「なぁ〜。名無し〜。遊ぼうぜ〜。」

うーん。と困り果てる名無しの手を揺らす大ガマ。

「お主のサボり癖は相変わらずだな。」

「だってよ!名無しが来てるんだぜ!何が悲しくてつまらねぇ場所にいかなきゃなんねぇんだよ!
あっ、そうだ!名無しも一緒に行こうぜ!」

「え?!私はいいよ!エンマ大王様と会うなんて畏れ多いし。」

「馬鹿は休み休み言うんだな。大王を待たせるわけにはいかん。行くぞ大ガマ。」

「へいへい。」

「名無し。吾輩はおらぬがえんらえんらとオロチが居る故、何かあれば言えばよい。
吾輩も大王には客人が居ると伝え早めに戻ろう。」

「そりゃいい!さっさと書類渡してさっさと帰ろうぜ!!」

言うやいなや走り出す大ガマ。

「はい、土蜘蛛これ。」

用意されていた大王に渡す書類を手渡した際、互いの手が少し触れ電流が走ったようだった。
はっと目を合わせ一瞬時が止まったような感覚に陥ったが……

「早く行こーぜー!!」

遠くから呼ぶ大声により呼び戻された。

「いっ、いってらっしゃい!」
(静電気かな……)

「行ってくる。」
(静電気か。)
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