ひだまりの日々[完結]

□十二刻
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二人が出発してからいつもの朝食の片付けをし屋敷を回っていると、土蜘蛛の部屋から物音が聞こえた。

「オロチ何してるの?」

「あぁ、名無し。
親方様が留守だからな棚の書を日干ししているのだ。」

「へぇ。本を干すなんて初めて見たよ。」

「親方様は平安時代から生きる妖怪だからな。古い書物が沢山あって虫が付きやすい。」

「平安時代から?!」

「そうだ。名無し達から見たら驚く事なのだな。」

「今まで普通に接してたけど、そんなに年上だったとは思わなかったなぁ。そういえばオロチもだよね?!」

「あぁ。私もかなりの年月はこの姿だな。」

「うわぁ。オロチ先輩って呼ばないと!オロチさんの方がいいかな?」

「なんだかこそばゆいな……今まで通り接してくれ。」

「はい!先輩!」

「やめろ!」

そんな話をしつつ本棚の整理を手伝う。
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