ひだまりの日々[完結]

□十二刻
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今日も朝から天気がいい。

(昨日は本棚整理で終わっちゃったから今日は何しよう?
今日は土蜘蛛帰ってくるんだった!なんだか早く会いたいな……)

そう思い縁側を歩いているとえんらえんらが洗濯物を干していた。

「えんらえんら私も手伝うね!」

「あら〜名無しどうもありがとう〜。」

「ここはいいなぁ。皆は優しいし、嫌なことはないし。」

「あっちの世界では嫌なことが沢山なのかしら〜?」

「慣れない仕事で毎日くたくただよ〜。でも、仲良くなった人もいたんだけどね……。」

「男の人かしら〜?」

「え?何でわかったの?!」

「うふふ、女の感かしら〜?
それでお付き合いはしていたの〜?」
(内容によっては親方様に報告ね〜。)

「ううん。お前はいいお嫁さんになるとか誉めてくれていい人だなって思ってたんだけど、他にお付き合いしてる人がいたの。」

「あらそぅ〜。思わせ振りな態度はいけないわね〜。名無しがいうなら取り憑いてやってもいいわよ〜*」

「えんらえんらありがとう!!
でも、ちゃんとリサーチしなかった私もいけないよね。……反省だよ。」

「その点、うちの親方様は硬派で浮わついたことは言わないし、強いし優しいし素敵でしょ?」

「そうだね!土蜘蛛みたいな男の人だったらよかったなぁ。」

「私、親方様についていくって決めてるわ〜。」

「えっ?!えんらえんらはその……土蜘蛛と一緒になりたいの?」

「あ……そういうのとは違うかしら〜。お仕えしてさえいれば私はそれでいいの〜。それに……」

「それに?」

「親方様、誰か思っている人が居るみたい〜。」

「え……誰?」

チクリと痛んだ胸に驚き、えんらえんらの次の言葉を待った。

「そうねぇ〜。前々から知ってるお方ってくらいしか解らないわねぇ〜。」

「そ……そうか。なんだか大ガマしかでて来ないなぁ。」
(好きな人かぁ……急に聞いたからもう大ガマの名前しかでて来ないや。
でも、このチクチクした感じ……私土蜘蛛の事好きなんだ。)

「うふふ〜そうだったりしてねぇ〜。」

「ウソ?!そっちの感じはしなかったけどそうなの?!」

「冗談よ〜。本気にしないで〜名無しったら可笑しいわねぇ〜うふふ〜。」

「どっちなの?!えんらえんらの言い方だとどっちなのか掴めない〜!!」

この事態で胸の痛みはどこへやら、洗濯物を二人で干しつつ土蜘蛛の帰りを待った。

(親方様、名無しに親方様を推してみましたけど変な誤解もついちゃって〜ゴメンなさいね〜。)
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