ひだまりの日々[完結]
□一刻
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うだる暑さの夏の日々もひと休み
窓の外はしとしとと雨模様。
今日は仕事も休みで、一人部屋でぼーっと布団にくるまっている。
(お布団の中ってなんて癒されるんだろ)
今日から夏休みだ。
子供の夏休みほどではないけれど、10日も連休なんて大人にとっては贅沢。
(雨かぁ……はぁ。今のところに勤め始めてからお局様には毎日小言ばかり。
まぁ…私が馴れないのがいけないんだけど。)
(それに職場で唯一の支えだった先輩…昨日になって婚約者がいるの知ってショックだったなぁ。
『名無しはいいお嫁さんになるなぁ!』とか…思わせぶり。
私が変に深読みし過ぎたの?)
ザァーっと強まる雨音…
(夏休みかぁ…子供の頃はおおもり山で皆と遊んだりして楽しかったなぁ。
それから、森の奥でウィスパーに会ったんだ…。)
(妖怪ウォッチもだんだんつけなくなっていったっけ……懐かしい…また皆に会いたいなぁ。)
(…って今、妖怪ウォッチどこにあるんだろう?!)
(この部屋からは出してない!最後に閉まった場所にあるはず!)
急に思い立ち、クローゼットの上の棚を漁り、見覚えのある箱を発見した。
(長い間、使わなかったら自然消滅とかだったらどうしよう……)
そう思いながら目を瞑りそっと蓋を開けた。
(……あった。私のピンクの妖怪ウォッチ!メダルもそのままある!!)
(でも待って!動くのか確認しなきゃ!)
すかさずウォッチを手に取り、一番上にあったメダルを差し込んだ。
……一瞬、なんの音もせず肩を落としたが、見る間に光り輝き聞き馴れたメロディーが鳴り響いた。