ひだまりの日々[完結]

□一刻
1ページ/3ページ

うだる暑さの夏の日々もひと休み
窓の外はしとしとと雨模様。

今日は仕事も休みで、一人部屋でぼーっと布団にくるまっている。

 (お布団の中ってなんて癒されるんだろ)

今日から夏休みだ。
子供の夏休みほどではないけれど、10日も連休なんて大人にとっては贅沢。

 (雨かぁ……はぁ。今のところに勤め始めてからお局様には毎日小言ばかり。
まぁ…私が馴れないのがいけないんだけど。)
 (それに職場で唯一の支えだった先輩…昨日になって婚約者がいるの知ってショックだったなぁ。
『名無しはいいお嫁さんになるなぁ!』とか…思わせぶり。
私が変に深読みし過ぎたの?)

ザァーっと強まる雨音…

 (夏休みかぁ…子供の頃はおおもり山で皆と遊んだりして楽しかったなぁ。
それから、森の奥でウィスパーに会ったんだ…。)

 (妖怪ウォッチもだんだんつけなくなっていったっけ……懐かしい…また皆に会いたいなぁ。)

 (…って今、妖怪ウォッチどこにあるんだろう?!)
 (この部屋からは出してない!最後に閉まった場所にあるはず!)

急に思い立ち、クローゼットの上の棚を漁り、見覚えのある箱を発見した。

 (長い間、使わなかったら自然消滅とかだったらどうしよう……)

そう思いながら目を瞑りそっと蓋を開けた。

 (……あった。私のピンクの妖怪ウォッチ!メダルもそのままある!!)
 (でも待って!動くのか確認しなきゃ!)

すかさずウォッチを手に取り、一番上にあったメダルを差し込んだ。


……一瞬、なんの音もせず肩を落としたが、見る間に光り輝き聞き馴れたメロディーが鳴り響いた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ