ひだまりの日々[完結]
□一刻
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「皆にも会いたいなぁ。」
「会いに行けばいいじゃないか。皆も名無しに会えたらうれしいんじゃないかな?」
「そうかなぁ……」
「そうとも!ここだけの話、元祖の大将さんは名無しからの呼び出しが少なくなってきた頃、凄く心配してこっちの世界の蜘蛛を使って様子を見ていたって話しだよ!」
「えっ?!土蜘蛛が?」
予想外の言葉に驚いた。
「確かにメダルはもらったけど、あんまり土蜘蛛とは話せなかったんだよね……まだ、小さかったし緊張しちゃって。」
(それに少し強面だったから……。大ガマとは話してたなぁ。)
「事情は解らないけど大将さん気にしてたよ〜。
でもその内に名無しは元気そうだから、呼び出しがあるならば駆けつける事にしようって言って様子見るのもやめちゃったみたいだけどね。」
「ほったらかしにしたから怒ったのかな……」
「そうじゃないと思うけど。」
「どうして?」
「その時の大将さん、少し淋しそうだったから。会いに行ってあげたら喜ぶんじゃないかな?」
「……じゃあ、会いに行こうかな。
会ってごめんなさいって、気にかけてくれてありがとうって直接言いたいから。」
「そうと決まればウォッチを持って!鏡の中へどうぞ!御開帳〜!」
手早く荷作りして、小さめのカバンに妖怪ウォッチと大事なメダルを詰めて、小学生の時に訪れた以来の平釜平原へ向かうことにした。