かえるのお姫様
□2days
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再び店を覗くと、年上の女性に何やら言われなが頭を下げる名無。
「あの女店長にへそ曲げられちまってんのか……」
「名無ちゃんいつもならそろそろあがる時間だから、ヘアピン返してちゃんと謝りなよ。」
「そうか!仕事あがる時間か!」
大やもりの店を出て名無を待つ。
夕闇の中、一際目立つアクセサリー店。
見た感じ高級なものではなく若者向けと言った感じで、店内の壁やタワーには処狭しとアクセサリーが陳列されており、キラキラと店内の照明に照らされたアクセサリーが煌めき、宝石箱を思わせた。
暫くして一瞬、昼間の花の匂いがした気がしたが名無の姿は無く、その後も待ちつづけるもついには向かいの店は閉まってしまった。
「大ガマ。うちも閉めるからもう帰ってよ。」
「お前の言った通り待ってたけど、名無は出て来なかったぜ?!」
「そんなはずないよ。大ガマの目が節穴なんじゃないの?」
「なんだって!?
こうなったら明日リベンジすっから、今日は泊めろよ!」
「えー。嫌だよ。」
「なんでだよ!」
「だって二階一部屋しかないんだよ。大ガマうるさいし、寝相悪いじゃん。
名無ちゃんには僕が返しておくから帰ってよ。」
「いや、俺が渡したいんだよ!」
文句を言い続ける大やもりだったが大ガマの強引さには負け、泊める事になったのだった。