かえるのお姫様

□3days
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「おはよーさん。」

「大ガマ遅いよ。もう昼過ぎるよ。名無ちゃんも出勤してきてるよ。」

「ほんとか?!」

「あんまり大きい声出さないでよ。昨日ずっと喋りかけてくるし、寝たら寝たでかかと落とし飛んでくるしで寝られなくて頭痛いんだから。」

「へーいへい。
んじゃ、ちょっくら行ってくるわ!」

「早く名無ちゃんにそれ渡して帰ってよね。」

そう言われながら大やもりの店を出た。

向かいの店ではちょうど名無が店先の商品の整頓をしていた。
昨日と同じふわふわのワンピースとキラキラとした装飾品を煌めかせ仕事に勤しんでいた。

近づく大ガマに向けて頭に残っていた笑顔と同じ表情を向けた。

(この笑い顔なんだか気になるんだよな……)

「いらっしゃいませ。」

「おう!これ、あんたのだろ?昨日はサンキューな!」

「え?……あの、失礼ですけど、前にお会いしたことありましたっけ?」

(あっ!そうか俺あん時カエルだったんだ!)
「いっ、いや間違えた!
でも、これはあんたのだろ?」

「あっ、これ昨日無くしちゃったヘアピン!でも、どうして私のって解ったんですか?」

「えーと、それは……あっ!
後ろにこの店の刻印があったからな!届けたまでだぜ!」

「そうだったんですか。
凄く探してたんです。これ、お店の新作で借り物だったんです。
昨日帰る前に無いのわかって凄く怒られちゃって。でもこれで店長に迷惑かけなくて済みました!ありがとうございます!」

「いや、いいってことよ!」
(本当は俺が礼を言う立場だしな……)

「あの……もしかして、やもりさんとご兄弟か何かですか?
とっても似ているような気がして。」

「あぁ!あいつとは親戚なんだよ!店始めたって言うからさ、俺も来たとこなんだよ!」

「そうでしたか!これからお店にいらっしゃるんですか?」

「ん……まぁな。」

二人が話す後方から唐突に声がした。

「名無ちゃーん!お昼休憩はいってきなさーい!」

「はーい!
あの、お時間大丈夫でしたらお昼休憩の準備しますので、やもりさんのお店で待っていて貰えますか?」

「あぁ、いいぜ!」

そう言って名無は店の中に小走りで入っていき、大ガマも大やもりの店に戻った。
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