かえるのお姫様
□3days
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出前の蕎麦とお土産のアイスも食べ終わり、一息ついた頃。
「それじゃあそろそろお昼休憩終わるので、お店戻りますね。
ご馳走様でした。ランチ楽しかったです。」
「あぁ!俺も楽しかったぜ!」
そう言って席を立った名無を見て大やもりが声をかけた。
「名無ちゃん……
その……大ガマがいるだろうけど、またいつでもたずねて来てね。」
「いいんですか?」
「うん……」
「じゃあ、また息抜きに寄らせてください。お蕎麦のお返し持ってきますね。」
「気にしなくていいのに。」
「それはお互い様ですよ。」
にこりとする名無。
またほわほわとする空気を蹴散らすように大ガマも会話に加わる。
「じゃあまた一緒に飯食おうぜ!」
名無は、はいと言って向かいの店へ戻って行った。
残された二人は沈黙。
そんな中、大ガマが話を切り出した。
「俺が居ついて残念だったかー?」
「まったくだね。
大ガマっていつも僕の生活圏内を掻き乱していくよね。」
「お前とはウマが合わないだけだろ?
それにしても名無に随分優しいじゃねぇか。」
「名無ちゃんは困ってる時に声かけてくれたからね。」
「それだけかぁ?
でもよ、お前がそうしてやりたい気持ち、俺にもなんかわかる気がするぜ……。」
「大ガマが僕の気持ちわかるとか……気持ち悪い。」
「お前、いちいち俺につっかかんのな!!」
こうして午後も過ぎていき、本家大将が店員をするという不可思議な事態になったのだった。