かえるのお姫様
□6days
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「あー。もう休憩終わっちゃう……また呼び込みしなくちゃ。」
「頑張れよ!稼ぎ頭だろ?!」
「……ですね。私がやらなきゃ!」
「その勢だぜ!」
「はい!あと3時間したら上がりだし!」
「あれ?今日は夜までじゃねぇのか。」
「今日は朝からだったのでお昼過ぎには上がりなんですよ。」
「なんだ、つまんねぇな。
あっ、そうだ!終わったらうちの店遊びに来いよ!」
「そんな、お仕事中にお邪魔するなんて悪いですし……それに今日はちょっと予定があって。」
押し黙る名無に何だか焦りを感じた大ガマ。
「予定ってなんだよ!まさかデートか?!」
今まで誘えば必ずついてきた女達ばかりだった為に少しイライラとして聞いた。
「デートなんかじゃないですよ……もう、悲しくなるからやめてくださいよ。」
「じゃあなんだよ!」
「その……探し物というか。
物ではないんですけどね。」
のらりくらりとする名無と自分を差し置いて優先する予定とやらが気になり益々イライラは募っていった。
「わかった。俺も一緒に探してやるから連れてけよ。」
「えっでも、おおがまさんお仕事は?」
「俺だって朝から店に居るんだからその位に上がったって文句はねぇだろ。だいたい暇だしな。」
「いえ、でも個人的な探し物なので……見つかるかもわからないし。
私一人で大丈夫ですよ。」
「気にすんなって!探すんなら頭数いた方がいいだろ?
ぶつくさ言ってねぇで仕事終わったら行くぞ!」
尚も断る名無だったが、強引な大ガマに圧倒され、仕事終わりに落ち合う約束をさせられるのだった。