いろいろ(拍手ssなど)
□ハロウィン拍手
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「じゃじゃーん!!」
「どうしたのその格好。」
本当にどうした、頭でも打ったのか、と思った。
目の前にいるオビは足元まで及ぶ真っ黒なマントをまとっていて、その下には真っ白なシャツを着ている。これはそう俗にいう仮装をしている状態で、おそらく吸血鬼か何かの類なのだろう。
「兵士に聞いたら今日はこうして過ごす日らしいよ。」
なぜかニコニコしている彼が怪しくて、私はジリジリと後ずさる。
「ねぇ、今日は言わなきゃいけない決まり文句があることを知ってるかい?」
ジリジリ、ジリジリ。
私が下がる歩数に合わせてオビも私に向かって前進してくるもんだから、一向に距離が開かない。いや、むしろ距離詰められてる気がする。近い。
「さ、さぁ。」
なぜだろう、甘いものを要求される予感がプンプンする。
どうしてだろう、人気のない城の一角でこんな偶然的に出会うかな。
トン。ついに私の背中は行き場をなくして壁に預けられてしまった。
そして私はいとも簡単に彼に捕まり、あの決まり文句を耳元でささやかれるのだった。
お菓子くれなきゃイタズラするよ。