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□たまには寄り道(Nさん編)
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隠し事がバレた時みたいな反応。


時間が止まったかの様に


ぴたりと動かなくなった。




俺さ、分かるんだよ。



こんなに近くにいたらさ


どうしたって感づいちゃう。




N:・・・・昔の事だよ?



O:・・ああ・・・・。



自分の知らない所で起こっていた事件。


後から知ったからこその恐さ。


何も出来なかった自分への憤り・・


俺を助けられなかった・・・恐さ・・みたいなの。


あなた、そんな事を感じたんじゃない・・?




N:ねぇ・・?



O:・・うん・・・・。



すっと俯いて俺から目をそらした。



O:・・・恐え・・・・お前になんかあったらって・・思って・・恐くなった・・・。



N:・・・大野さん・・・・。



泣きそうな顔で笑った大野さんを見て


俺は話してしまった事をちょっと後悔したけど


普段は見せないこの人の動揺を久々に感じると


はしたないかな愉悦感みたいなものがムクムクと膨れ上がった。




だってこれってさ・・・。




N:・・・黙っててごめんね・・・。



眉間にグッと皺が寄った顔を見て


思わず口元が緩む。



N:大丈夫だよ、本当に何も無かったかし。これからも気をつけるから。ね?



O:・・・・・・。



安心させるように、優しく言い聞かせると


大野さんの首に手を回して


グッと下から抱き寄せた。




いつもは逆なんだ。



好き過ぎてさ不安なったりとか


悩んだりとか


俺の方が落ち込む事が断然多くて


それを広くて暖かい胸で


この人が受け止めてくれんの。



安心させてくれんの。




今日はさ、あなたから同じ想いみたいなのが


伝わってきてちょっと・・・・嬉しい。




N:さとし・・・。





俺って愛されてんね。



愛されてるって事だよね?




俺を心配して不安になって


揺れてしょうがなくなるあなた。





俺が大事って事なんでしょ?






大切にしたいって事でしょ?






機嫌がよくなった俺は


破れたTシャツから覗く


露わになった自分の素肌を


大野さんに擦りつけた。




N:ねぇ、もっと上書きしてよ。



O:!・・///。煽んなよ///



N:ふふっ。わざとだもん。





ちゃんと感じてるつもりだよ。





不器用なあなたの愛情。





N:あ。何かご奉仕したい気分になった。



O:ええ///!?



N:ちょっと交代しましょ♪



抱きついたまま勢いをつけてゴロンと転がって


俺は大野さんを組み敷いた。



O:ちょっ//え?!待っ///



N:んふふ、待てません。




鼻歌交じりに


大野さんのズボンに手をかける俺。


顔を真っ赤にして慌てふためくあなた。




俺を振り回して


好きにしていいのは


この人だけだけど。




この不器用な男を


振り回して


熱くして


溶かしていいのは


世界中で俺だけなんだ。




N:いいじゃん、たまには///



O:駄目だって・・///こら!あっ///!




振り回されて



振り回して




たまにはこんな日も




きっと悪くない。






うん、・・・・悪くない。













あ。





この後どうなったかは


皆さんのご想像にお任せしますね♪


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