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□君ともっと(Nさん編)
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Said:N


人ってなんでこんなに


欲張りになれるんだろ


十分幸せなはずなのに


更に満たされようと 必死なの


あなたも同じだと いいんだけど




大野さんと正式にお付き合いをはじめてから1カ月経つ。


相変わらず仕事が忙しくて、なかなか2人きりでは会えてなくて。


仕事で一緒になる時位しかまともに顔をあわせられない。


それに二人とも不精で電話とかメールとかもまあまあしないから、本当に付き合ってんの?って疑わしい。


けど、楽屋とかで大野さんが俺の事をすごく優しい目で見てるから。


本当なのかな?って感じさせてくれる。



俺は、いつも通り楽屋のソファに膝を抱えて座ってゲームしてる。

テーブルでは翔さんが新聞と睨めっこしてて、相葉さんは同じテーブルで必死に何か書いてる。

潤君は、パソコンでずっと何か見てる。

多分、コンサートの案を練ってるんだと思う。




そして、大野さんはまだ来てない。



前の仕事押してんのかな?




コンコン。



楽屋のドアがノックされた。


S:はい?どうぞ?


翔さんが顔をあげて返事する。


するとガチャっとドアが開いて大野さんが入って来た。


ちゃんとノックして伺って入って来る。


この人だけじゃなくて、皆そうなんだ。


不思議と各々にこうゆう風に気を使える人達だから。


仲良く続いてるんじゃないかなぁって、時々感心したりする。



O:はよ・・。


S:あ、智君、おはよ。今日珍しく遅かったね?


O:前の仕事ちょっと押しちゃって・・・。疲れた。


そう言って何の躊躇もなく、俺の方へ向かってくる。


A:リーダー!おはよー。元気?!大丈夫?


O:ふふ、大丈夫、大丈夫。


心配する相葉さんの挨拶に、笑いながら答える。


M:リーダーおはよ・・。ん。


何気なく大野さんにコーヒーを差し出して、飲むように促す潤君。


いつもよりちょっと遅れて来ただけなのに。


何も言ってないのに。


当たり前みたいな空気で皆が大野さんを労わっている。


これが大野さんじゃなくても、多分一緒だ。


このグループの雰囲気は大野さんの影響が大きい気がする。




この人が優しいからだと思う。




皆、この雰囲気が一番良いって思っているんだと思う。



のろのろと俺の側へやってきて、隣にちょっと乱暴にボスっと座った。


その反動で大野さんの方へちょっと傾く俺。


O:ニノ・・、おはよ・・。


一段と優しい声で俺に言う。



それだけで「お前は特別だ」って言われてるようで嬉しくなる。


N:おはよ。今、コーヒーこぼれなかった?


大野さんが少し乱暴に座ったから、手に持ってた紙コップのコーヒーがこぼれなかったか気になった。


O:ん?あ、かかった?ごめん。


全然かかってないし。


俺はあなたにかかったんじゃないかって思ったんだけど。



N:ううん、俺にはかかってない。大丈夫。




他愛もない会話。




それすらもくすぐったい。



久々に会えた嬉しさが顔に出ちゃうから、ゲームから目線を外さずに言う。



O:そっか、良かった。



見なくても分かる、大野さんがニコニコしながらコーヒー飲んでるの(照)。
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