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□心を裸に(Nさん編)
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俺は俯いたままの大野さんに
近付いて、そっと
抱きついた。
N:ごめんっ・・俺、自分の事ばっかり・・。
驚いた大野さんが、おずおずと
俺の背中に、手を回してくれた。
N:俺、恥ずかしくて・・・。本当は違うのに・・・。いつでも側に居たいのに。いつでも欲しいくせに・・・。自分曝け出すの恐がって・・・、逃げてた・・・。
O:和・・・。
あなたじゃなきゃ
駄目なんだよ。
あなたじゃなきゃ
嫌なんだよ。
N:本当にごめんなさい・・・。
俺は大野さんに、ギュッとしがみついた。
しばらくそのままでいると 大野さんが
しがみついた俺の背中をトン、トンと
叩き始めた。
O:和・・・、本当に嫌じゃないの?
N:嫌じゃない!違うよ!ただっ俺がっ!
信じて貰おうと、必死に首を振る。
O:ふふ、なら良かった・・・。俺、どうしようかと思った・・・。
不安にさせて
傷つけてしまった事に
本当に申し訳なく思う。
そんな自己中な俺の背中を
あやすように叩く
大野さんの手は、すごく優しかった。
O:もうさ、いんじゃね?
そう言って
抱きついてた俺を、やんわり離して
今度は、俺の左胸を
トントンと叩かれた。
O:ここ、俺には、全部見せてくれたって。
瞬間。
大きく、そこが
跳ねた。
いい?
あなた、きっと
驚くよ。
恥ずかしくて 命一杯な俺を
呆れないで
受け止めてくれる?
O:ふふ、どんな和でも、好きなのは変わんないよ。
その一言で
バカみたいな俺の不安が
充分、救われる。
N:・・うん・・・、ありがとう。
N:・・・また・・・、抱いてくれる?
纏ったものを脱ぎ捨てた
裸の心。
あなたにだけに
見せたくて
その優しい瞳に、映したくて
俺は大野さんを引き寄せた。